小3道徳科・知的障害特別支援学級 いいところみつけ「おかあさんの『ふふふ』」

文部科学省教科調査官監修による、小3道徳科の指導アイデアです。今回は、知的障害特別支援学級で行った、A【個性の伸長】「おかあさんの『ふふふ』」の実践を紹介します。
本実践では、教材「おかあさんの『ふふふ』」を通して、子供たちが自分や友達のよさに気付き、自己肯定感を高めることを目指します。
執筆/鹿児島県公立小学校教諭・竹下佳子
監修/文部科学省教科調査官・堀田竜次
鹿児島県公立小学校校長
鹿児島県小学校道徳教育研究会会長・永里智広
目次
1 はじめに
「はぁ、次(の時間)道徳だぁ」と頭を抱えて交流学級に向かう子供たちを、特別支援学級の教室から送り出しました。1時間の学びを終えて帰ってきた子供たちの少ししょんぼりした表情に声をかけると「だって、分っかんないんだもん」「違うよ、分かりきってるのばっかり言うんだよ」と、苛立った様子で言葉が返ってきました。知的障害特別支援学級に在籍する子供たちの中には、「自分の気持ちや状況を言葉で表すことが難しい子」「答えが1つに決まらない場面を受け止めることが苦手な子」「人との距離感など暗黙のルールを理解しにくい子」などがいます。そのような子供たちにとって、「2つの考え方があり、どちらも大切」「手伝うことも思いやり、そっと見守ることも思いやり」など、複雑な状況を理解することは簡単ではありません。
しかし、将来自立し、社会に参加するためには、自分自身や人との関わりについて考えることが欠かせません。そこで、特別支援学級における道徳科の学びについて、実践を通して考えていきます。
【教材について】
教材は、「お母さんの『ふふふ』」です。クラスの友達のよいところや頑張ったことを伝え合う活動「いいところみつけ」で、まだ加藤さんが紹介されていないことに気付いた「わたし(美紀)」が、加藤さんのよいところを見付けて紹介します。加藤さんから「うれしい。」という言葉をもらい、そのことを帰宅後に話すと、お母さんから「美紀にもいいところがあったね、ふふふ。」という言葉をかけられるという内容です。
2 展開の概略
1 授業のねらいとする道徳的価値に対する、今までの自分について振り返る。
2 授業のねらいとする道徳的価値について考えていくための問いを立てる。
3 教材「お母さんの『ふふふ』」のお話を聞いて、内容を大まかに捉える。
(教材は挿絵を用い、デジタル紙芝居風に提示する。)
(1) 加藤さんがかめにえさをやっているところを見かけた「わたし(美紀)」の気持ちを考える。
(2) お母さんが言った「わたし(美紀)」のいいところとは、どんなことかを考える。
4 自分や学級の友達のよいところを考え、伝え合う。
5 教師の見付けたそれぞれのよいところを聞く。
