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数値を「見える形」にして考えを深める―表・グラフで結果を語る―|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑰

連載
探究のすすめ方 中学校・高等学校 方法論編
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探究のすすめ方 ~小学校・中学校・高校対応~

四天王寺大学教育学部准教授

仲野 純章
探究のすすめ方 中学校・高等学校 方法論編 バナー

前回は、個別実験・調査で得られた数値をどう扱い、どのように分析・評価につなげるかを見てきました。今回はその次の一歩として、そろえた数値を表やグラフにまとめる場面に目を向けます。数値を「並べる」から「見える形にする」ことで、研究はぐっと前に進みます。表やグラフは、結果の中にある傾向や違いを浮かび上がらせるための道具です。

執筆/四天王寺大学教育学部准教授・仲野純章

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中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう①~考えを整理して、テーマを決める~
課題研究の実現可能性をチェックしよう! 中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう②
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研究テーマが決まったら、研究の道すじを考えよう─中・高等学校の【課題研究】はこう進めよう④
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本実験・調査をやり切る覚悟と、やり直す勇気|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑭
◆「結果」をどう扱うか|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑮
数値とどう付き合うか、結果整理を一歩具体的に|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑯

表か、グラフか

数値がそろったからといって、それをそのまま並べただけでは、なかなか傾向や違いは見えてきません。そこで登場するのが、表やグラフです。ただし、どちらを使えばよいかは、何を明らかにしたいかによって変わります。判断の軸としては、

・結果が際立つか
・分析と評価がしやすいか
・他人にも伝えやすいか

といった点が挙げられます。最終ゴールや個別ゴールを意識しながら、「この結果は、表とグラフのどちらで示すのが適切か」「どう見せると一番伝わるか」を考えることが大切です。

表の強みは、複数の数値を一覧できる形で、正確に示せる点です。一方で、項目間の関係性や変化の様子を直感的につかむには、グラフの方が有効な場面も多くあります。

たとえば、「ある吸湿材料に含まれる水分量が、湿度変化にともなってどう変わるか」といった関係性を見たい場合、表よりも折れ線グラフにした方が、傾向が一目で分かります。表とグラフは対立するものではなく、目的に応じて使い分ける道具と考えるとよいでしょう。

グラフが書かれた書類
写真AC

代表値は便利だが、使い方に注意

データ量が多くなると、すべてを表に並べるのは大変です。そこで活躍するのが平均値などの代表値です。「結局のところ、どのくらいか」を端的に示せるため、個別実験・調査同士を比較する際には便利です。ただし、平均値だけで判断すると、実態を見誤ることもあります。平均は同じでも、ばらつき方が大きく異なるケースは少なくありません。結果を評価するときには、たとえば「平均値+ばらつき」というセットで考える視点を持っておくと、研究の説得力が増します。

グラフは「描き方」も重要

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