小２特別活動「学きゅううんどう会をしよう」指導アイデア

文部科学省教科調査官監修による、小２特別活動の指導アイデアです。12月は、学級活動（１）「学きゅううんどう会をしよう」の実践の紹介をします。

秋の運動会の練習に一生懸命取り組み、みんなで協力することの楽しさを味わった子供たちからは、「もっとみんなと一緒に体を動かしたい」「今度は学級で運動会をしてみたい」「みんなで協力する集会をしたい」といった思いや願いをもつ子供もいることでしょう。そうした子供たちの思いが生かせるよう、みんなで話し合って、みんなで決めて、みんなで実践していくことを通して、楽しく豊かな学級の生活づくりを目指します。

執筆／神奈川県公立小学校教諭・立原靖浩
監修／文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官・和久井伸彦
　神奈川県公立小学校校長・小堤紀子

年間執筆計画

事前の活動

①話し合うことを見付ける

12月になると、「学級で集会をして冬休みを迎えたい」という声が上がることがあります。また、寒くなってきて外で遊ぶ子供が少なくなってくる時期でもあります。子供たちの思いや願いから、どんなことをしてみたいか休み時間の会話をもとに議題が生まれてくることがあります。

休み時間に先生を囲んで次のような会話をしていました。

子供同士の会話で終わらないよう、子供たちの声に耳を傾け、提案を促してみましょう。また、子供たちにとって運動会は思い出に残るとても大きな学校行事の一つです。学校生活での様々な経験をよりよい学級づくりにつなげていけるようにしていきます。

②議題を選定する

議題の選定では、提案者の思いを大切にします。計画委員会（司会グループ）で相談する際には、「なぜ提案したのか」「何のためにやるのか」「その集会をやることによって学級がどのようになっていくのか」など、担任が提案者の思いを引き出すことも重要です。単に「楽しそう」という理由で決めず、学級にとって今、必要なこと（生活上の課題）を計画委員会（司会グループ）で話し合い、帰りの会などで学級全体に提案し、議題を全員で決定します。そのときに議題として選ばれなかったものをどのように処理するかも伝えます。

③提案理由を明確化する

提案者の思いを生かしながら、計画委員会（司会グループ）で次のような提案理由が決まりました。

「運動会がとても楽しかったので、学級でもう一度、運動会をやりたいと思いました。運動会は、みんなで協力したから楽しめたと思います。だから、学級のみんなともっと協力できるようになりたいと思ったので提案しました。」

④話合いのめあてを設定する

議題が決まったら、計画委員会（司会グループ）で学級会の計画、準備を行います。学級会において「話合いのめあて」は、とても重要です。教師は、「何のためにやるのか」を問いかけ、話合いのめあてをはっきりさせて学級会に臨めるようにしましょう。

⑤「学級会ノート」を作成する

学級の子供たち全員が、事前に「学級会ノート」に自分の考えを書いて学級会に臨むと、自信をもって話合いに参加できます。担任が発言の苦手な子供の考えを把握しておくことで、事前に子供の思いを聞き、発言に向けた助言をすることもできます。

⑥話合いの準備をする

・学級会ノートに書いてある考えを事前に計画委員会（司会グループ）で短冊に書いておき、黒板に貼っておくと、話合いを「比べ合う」段階から始めることができます。

・計画委員会（司会グループ）の子供たちと一緒に活動計画を作成し（進行台本）、学級会の流れの確認をしておきます。

⑦「学級会コーナー」に掲示する

・背面黒板などを利用し、学級会コーナーを設置すると意識が高まります。「議題」「提案理由」「話合いのめあて」「司会グループのメンバー」「学級会や集会の日時」「決まっていること」などを掲示しておきます。模造紙や短冊に書いておき、本時の板書にも活用することで準備の時間が短縮できます。また、事前に意見が書かれた短冊を貼っておくことで、休み時間の話題になることもあります。

本時の活動