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「希望降任制度」とは?【知っておきたい教育用語】

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【みんなの教育用語】教育分野の用語をわかりやすく解説!【毎週月曜更新】
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管理職として学校経営を支える教員のなかには、心身の負担から再び一般教員として働くことを希望する人もいます。こうしたなかで注目されるのが「希望降任制度」です。今回は、制度の概要とその意義、そして教員の働き方についても解説していきます。

執筆/文京学院大学名誉教授・小泉博明

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希望降任制度とは

【希望降任制度】
公立の小学校、中学校、高等学校の校長や副校長(教頭)らが、自らの教員の職階や職位の降格を諸般の事情により自ら希望して、その降格を認める制度。地方自治体の教育委員会により実施される。

希望降任制度は、地方自治体の職員において適用されるものであり、同様に公立の小学校、中学校、高等学校の校長や教員においても教育委員会により実施されています。教員が自ら希望して、その職階や職位の降格を認める制度です。校長から副校長(教頭)へ、校長から教諭へ、副校長(教頭)から教諭などへの降任を希望することができます。

降任を希望する理由には、職務の責任を全うできない、健康上の理由、家庭の事情など、複数の理由があり、主に心身の疲弊が関係しています。一概に「指導力不足教員だから、降格」というわけではないのです。つまりこの制度は、出世という従来の価値観に再考を促すものであり、働き方の多様性を尊重する潮流の一つといえます。

希望降任制度の実施要項は、地方自治体ごとに様式が異なります。しかし、本人からの申し出に基づき、個人の能力と意欲に応じた任用を行うことで、心身の負担軽減や組織の活性化を図ることを目的としています。本人の希望を尊重して、現に任命されている職よりも下位の職に任用することになります。本人が「降任希望申出書」を提出し、本人の理由を聴取したうえで提出します。

希望降任制度の背景

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