のびのび歌える学級のヒミツ道具!チキン君|子供たちが前のめりになる学級経営&授業アイデア #7


学級経営と授業改善について、アナログとデジタル、それぞれのよさを融合しながら唯一無二の実践を続ける鈴木優太先生の連載です。子供たちが熱量高く、前のめりに学習したり活動したりする学級づくりや授業のアイデアを、毎月1本紹介します。今回は、歌声や発声の一助になるアイテムを取り上げます。
執筆/宮城県公立小学校教諭・鈴木優太
目次
学級づくりの基本は声づくりから
恥ずかしがっていて声が小さい。そんな子供たちの姿に、胸を痛めたことはありませんか。
「もっと声を出して!」――そう言えば言うほど、歌や音読の声が小さくなる学級は少なくありません。声が出ない教室では、活動に活気が出ず、雰囲気も沈みがち。私は初任時代、ある先輩からこう教えられました。
声づくりは学級づくり
声を合わせる心地よさを経験した子供たちは、挑戦する勇気や一体感が自然と生まれていきます。では、どうすれば子供たちは声を出せるのでしょうか。
チキン君の顔をまねしよう
「びっくりチキン」は、お腹を押すと「ギャーッ!」という叫びのようなおもしろい音が出るゴム製の人形です。玩具店や通販サイトで手に入ります。
口は指3本入るくらい縦に開け、眉毛は2cm上げます。これが歌うときの理想的な表情です。
こうかな?
いいですね。この顔、何かに似ていると思わない?
じゃじゃーん!(びっくりチキン人形登場)

あっはっはー、ほんとそっくり!
合言葉は……チキン君の顔!
ぶわぁっはっはっはっ、こう?
いいですね◎ これが、一番声が響く表情です。そのままサビだけ歌ってみましょう。
教師がチキン君の腹を押すと、「ギャーッ!」と鳴く。

だーっはっはっは、おもしろーいっ!
さん、はい!
ラララ~♪
子供たちは口を大きく開け、表情が一気に明るくなります。はじめは、うまく歌わせようとしないことがポイントです。笑いながら出した声は、それだけで価値があるからです。
チキン君の顔
これが歌うときの合言葉になります。以後、チキン君が登場しなくても口の開き・表情が整います。発声前の緊張がほぐれ、のびのびとした声が出るようになります。「チキン君」のおかげで、理想的な発声環境が瞬時に生み出されるのです。