小5国語科「インターネットは冒険だ」全時間の板書&指導アイデア
文部科学省教科調査官の監修のもと、令和6年度からの新教材、小5国語科「インターネットは冒険だ」(東京書籍)の全時間の板書例、教師の発問、想定される子供の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/山梨大学大学院教授・茅野政徳
執筆/神奈川県横浜市立一本松小学校・奥村千絵
目次
1. 単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、教材文「インターネットは冒険だ」を読み、文章の要旨をまとめる力を育てていきます。要旨をまとめるには、事実と感想、意見などとの関係を押さえたうえで、文章全体の構成を捉えることが大切です。
中学年で筆者の考えとそれを支える理由や事例との関係に着目してきているので、その学びを生かして要旨をまとめる力を身に付けていくようにします。
要旨をまとめるためには、文章の構成や展開について理解していることが大切です。「序論」「本論」「結論」という三部構成や、頭括型、尾括型、双括型という構成の種類とその特徴を理解できるようにしていくとよいでしょう。
2. 単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴
本実践では、筆者の考えを捉えたうえで、要旨をまとめます。その後、筆者の考えに対して自分の意見をもち、友達と伝え合う、という言語活動を設定しています。これらの言語活動を通して、文章の構成を確かめて内容を捉える力や、要旨をまとめる力を育みます。
具体的にどのような活動になるのか、簡単に紹介します。
まずは、題名や事例のみを提示し、そこからどのような内容が書かれているのか予想することから始めます。どのような内容なのか予想することを通して、文章全体を知りたいという思いを高めていきます。5年生の説明文の入り口として、興味をもちながら読み進められるようにするとよいでしょう。
次に、まとまりごとの内容を捉えられるようにします。大事な言葉や文に線を引きながら、学級全体で内容を確かめることが大切です。「序論」「本論」「結論」にまとまりが分かれていることも押さえます。
そのうえで要旨をまとめていきます。要旨をまとめることが本単元の主たる活動です。これまでの学習で要約することを経験してきているので、既習を生かしながら進めていくとよいでしょう。
最後に、まとめた要旨をもとに筆者の考えに対して自分の意見をもち、伝え合う活動を行います。
インターネットは、5年生の子供たちにとって身近で、日常的に使用していることが想定されます。
その経験や知っていることなどを結び付けて意見をもてるようにします。クラスの友達と読み合うことで、様々な見方や考え方があることに気付けることも、本単元の言語活動がもつ長所です。
4. 指導のアイデア
主体的な学びを実現するために、子供自身が「知りたい」と感じられる場の設定が必要だと考えました。そのため、単元の始まりでは題名だけを提示し、どのような内容が書かれているのかを予想する活動を設けました。
これまで学習してきた説明文の題名と比較して、筆者の考えが色濃く表れているのが特徴です。子供たちも興味をもって説明文の入り口に立てるのではないでしょうか。
その後、事例だけを提示します。実際にありそうな出来事で、子供たちは自分の身の回りに起きているかもしれないと感じながら読み進めていくことでしょう。
三つの事例から、筆者がどのようなことを伝えようとしているのか知りたい、考えたいと感じさせることができたらうれしいですね。
また、本実践では、対話的な学びの場として、ICT端末を使い、それぞれがまとめた要旨や自分の意見を見合うようにしました。紙面上の方が活動しやすいと感じる子供もいるので、ICT端末を使うか、紙媒体を使うかを選択できるようにすることも、その子に合った学びを構築するために必要なことです。
5. 単元の展開(5時間扱い)
単元名: 要旨をまとめ、自分の考えを伝えよう 「インターネットは冒険だ」
【主な学習活動】
(1時)
① 題名を読んで、筆者がどのようなことを伝えようとしているのか予想する。また、いくつの事例が挙げられているのかを確かめ、そのうえで筆者がどのようなことを伝えようとしているのか予想することを通して、詳しく読んでいこうとする意欲をもつ。
② 全文を読み、分かったことや気付いたこと、疑問点などを書き、発表する。分かったことや気付いたこと、疑問点を整理し、学級全体の学習のめあてや見通しをもつ。
(2時、3時)
③ 文章全体を「序論」「本論」「結論」の三つのまとまりに分ける。
④ まとまりごとの内容を表に整理する。
⑤「序論」と「結論」に書かれている内容を比較し、「序論」「本論」「結論」の役割を確かめる。
(4時)
⑥ 要旨のまとめ方を確かめ、「インターネットは冒険だ」の要旨を書く。〈 端末活用(1) 〉
(5時)
⑦ まとめた要旨を基に筆者の考えに対する自分の意見をもち、伝え合う。
全時間の板書例と指導アイデア
イラスト/横井智美
令和6年度からの国語科新教材を使った授業アイデア、続々公開中です!
