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クラス担任として、行事にどうかかわる?③[宿泊的行事編]<中高教員の実務>

連載
中高教員の実務

創価大学大学院教職研究科教授

宮崎 猛

文京学院大学名誉教授

小泉博明

生徒たちがいちばん楽しみにしているといってもいい宿泊的行事。生徒に最高の思い出を残すために、担任の先生は万全の準備が必要です。

編著/小泉博明・宮崎 猛

【特集】中学校・高校教師 実務のすべて#12

事前指導や引率、事後指導まで…宿泊的行事に向けて準備すべきことって…?

生徒の自覚や責任を促しながら、事故やトラブルを起こさないために事前の確認や他人との接し方やマナーなどの指導を徹底しましょう。

生徒たちの最高の思い出のために

生徒が学校生活の中でいちばん楽しみにしているのは、宿泊的行事といっても過言ではありません。その大きな楽しみを最高の思い出にできるように、担任として様々な配慮していかなくてはなりません。事前指導、行事当日の引率、事後指導など、やるべきことはたくさんあります。万全の準備をしておきましょう。

宿泊的行事に向けての準備

各分担からの情報を把握

学年で行事の準備をする際は、役割を分担することになります。そして、担任の場合は、それらの各分担から出される情報をすべて把握しておく必要があります。それができないと、生徒への指示もできずに後々困ることになります。

生徒の自覚や責任を促す

日常の学校生活から離れて、ある意味、心も解放される行事になります。それだけに生徒も浮足立つ場面が見受けられがち。学級活動などの機会に、生徒の自覚や責任を促す言葉かけを行いましょう。もちろん、教師が生徒と一緒に浮き足立ってしまってはいけません。

事前の確認事項

生徒と一緒に、しおりなどで、以下の点を確認しておきましょう。
・目的や日程、行動内容など。特にタイムスケジュールは綿密に。
・宿泊先の連絡先など。
・引率教員の連絡先(代表者や本部の電話など)。
・現地で必要になるものや持ち物、持っていくお金など。

指導しておくべき点

事前の指導で次のような点を確認し、注意を促します。
・校外に出ることを確認し、あいさつや礼儀など、他人との接し方や見学場所でのマナーなどに気をつけさせる。
・生徒たちにも自分でしっかりと行動内容を確認するよう指導する(ちょっとした“ テスト” をするのもいいかもしれません)。
・現地での緊急事態の行動を徹底しておきます。
・保護者にも事前に説明会を開催し、内容などを伝えておきます。当日に緊急なことが起こった場合に備え、緊急連絡先を伺います。
・宿泊的行事に向けての「学校危機管理マニュアル」を作成し、保護者に「何かあったとき」に対応できる配慮が必要です。

事故を起こさないために

学級として「事故を起こさない」という担任の決意が大事です。ただ、マニュアル的に説明するだけでは伝わりません。できれば具体的な事例などを取り上げて、事故が起こると、どれだけ悲惨で周囲に迷惑をかけるかを説明したほうが効果的です。ベテランの先生方は、いくつか事例を知っているはずですので、必要に応じてレクチャーを受けるのも有効です。

行事当日の注意点

イラスト/タバタノリコ・畠山きょうこ

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