学校現場と社会をつなぐ「社会教育士」のよさ
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- 大切なあなたへ花束を


複雑化・多様化する現代社会においては、教育はもはや学校内だけで完結できるものではありません。様々な大人たちの「生きた実例」から、社会で生きることの意味や、自己決定と自己実現の意義を子どもたちに示すことは、子どもたちの成長を支える、強い下地づくりとなることでしょう。そんな気持ちから、宮岡先生は社会教育士として、新しいチャレンジを始めることにしたそうです。
執筆/みんなの学校マイスター・宮岡愛子
社会教育士としてのセカンドキャリアが始まる
校長を退職した昨年の秋から、私は社会教育士を目指して学び始め、この2月に念願の資格取得をすることができました。
皆さんは、「社会教育士」と聞いたら、どんな人をイメージしますか?
残念ながら、まだまだ知名度の低い資格です。
「社会福祉士と間違えられた!」「社会科を教える人?」「地域のことをするの?」
などと、みなさんの反応はさまざま。これから頑張って広めていきたい仕事です。
社会教育士は、文部科学省が認定する有資格者で、学校教育を教員だけの仕事にとどめず、「地域のヒト、コト、モノの情報や地域の想いや願いを共有し、地域の人たちに伴走しながら、地域の人たちと一緒になって学びの機会をつくり、新たな人との出会いやつながりをつくり、持続可能な地域をつくる」ことを目的とします。(詳しくはこちらの記事もご覧ください)
「人と人をつなぐ人」とも言われます。
私は、学校現場を経験してきた立場から社会教育士になったので、「社会の中で地域と学校を融合する人」になりたいと思っています。子どもたちに地域の一人の大人として何ができるか、何をしないといけないか、ということを考え、実践して行きたいのです。
特に小学校のときに、子どもが地域の人と出会い、ふれあい、学んだことで、自分が大人になったときに社会貢献やまたその地域に返していこうとする思いが強くなるということも実感しています。
そんなとき、大阪市立長原小学校の市場校長先生から、こんなお知らせが来ました。
「長原チャンネル!」というのを企画しました。
「子どもが主語の学校」「子どもが主体の学校」を目指すには、子どもにコントローラーを渡して、自己責任を持たせた上で、大人は見守り、信じて、任せて、委ねることが大切です。
この企画にとっての鍵は、
どれだけのチャンネルをつくるのか!です。
宮岡さんにも命の授業などでエントリーしてもらえませんか?いつするかは未定で、あくまでも子ども主体となりますので、開催日に可能な講座をエントリーリストにあげることになります。
私が小学校で子どもたちと一緒に学んだことを、今度は教員としてではなく、地元のおばちゃんとして、少しでも多くの子どもたちに伝えていきたい。
そして、それを学び大人になった子どもたちが、また下の世代へとバトンをつないでいってくれたら…。そう考えていたので、返事はもちろん、即オッケー! エントリーをしました。
年が明けて、教務主任の丸岡先生(現 長原小教頭)とのやり取りが始まりました。
2024.1.15 ながはらチャンネルエントリーのみなさまへ
この度は、「ながはらチャンネル」へのエントリーをありがとうございます。
取り組みの目的は、
子どもたちは「学びたい!知りたい!わかりたい!」と本来は学びに夢中な存在であるはずです。私たち学校教職員には学びの魅力を伝えるのには限界があり、広がりがありません。そこで、あらゆる職業の、あらゆる趣味や特技を持つ大人のみなさんが、ともに学びをつくってもらえることで、子どもたちの学びへの興味や関心、大人への憧れや夢が大きく広がる可能性があります。また、できるだけ地域のみなさまのご協力を得ながら、子どもたちと地域のみなさまをつなぐ架け橋になることを願っています。
第1回の日時が決定しました。
令和7年2月26日(水)の午後1時50分から2時40分(50分間)です。
まずは、開設の可否を教えていただきますようお願いします。
その後、当日、開設可能なみなさんの講座一覧を作成して、子どもたちの受講希望講座を調査した後、開設決定の有無について、ご連絡を差し上げます。
ぜひ、子どもたちと一緒に学びの楽しさをつくりあげてください。
教職員一同、楽しみにしております。
2月26日は、もちろんオッケーです。
「開設します」とお伝えしました。
わたしの講座は、「生きる教育」としました。それだけだと抽象的なので、子どもたちに分かりやすい惹句をつけました。
「友だち関係でストレスたまってない?」
です。
<「生きる教育」の具体的な内容については、こちらも併せてご覧ください>
今後についてですが、子どもたちに受講講座の希望をとった後、改めて開設決定の有無についてご連絡いたします。
「開設する」という私の意思があっても、子どもたちが私の講座を希望しなかったら、授業はできません。さぁ子どもたちの反応はどうでしょうか。ワクワクドキドキ楽しみに待っていました。
そうこうしているうちに来ました! 決定通知が。4年生3人、6年生1人がエントリーしてくれたのです。とてもうれしかったのを覚えています。