図工(美術)の時間、作品制作で児童生徒には、道具をどこまで使わせていいの?


道具の準備が大変、安全に使えるか見届けることができない、など不安はあると思います。しかし、児童が色々な道具を使って伸び伸びと作品作りができる時間を作りたい。そんな悩みを抱えている方にご提案です。
題字・イラスト・執筆/埼玉県公立小・中学校教諭 坂齊諒一
連載【いちばん楽しいアート】#13
結論から申し上げますと、道具はどんどん使った方がいいです。それが正しい使い方であるかどうかや、使うに値するかどうかなど全て取っ払い、道具を壊したり怪我をしたりしないのであれば触らせてあげてください。「〇〇を使いたいです」という言葉が出るまでには、
このように作りたい ➡ どうすれば解決できるだろう ➡ あの道具を使ってみたらいいかも
という児童生徒の内発的な思考があります。この気持ちを無駄にしたくはありません。
判断基準は「使用目的がはっきりしているか」
使用する道具の制約を取り払うことで、児童生徒が伸び伸びと作品作りに取り組めるのであれば、それ以上にいいことはありません。しかし、むやみやたらに道具を使わせるとトラブルやけがにつながりかねません。おそらく先生方の不安材料は、
●道具の準備が大変で間に合わない
●けがが起きてしまったらどうしよう
●作品の趣旨とずれてほしくない
●見届けきれない
というようなところではないでしょうか。低学年、中学年に関しては教師主体で道具の制限は設けてもいいと思いますが、高学年や中学生に至っては、道具はどんどん使えるようにしてよいと思います。
それでも不安は残ると思いますので、以下のルールや教師側の配慮はいかがでしょうか。
●必ず教師の確認をとってから道具を使う。
●何に(どんなふうに)使いたいのかを言ってから借りる。
●使ってもいい道具をあらかじめ黒板に書いておく(必要に応じて書き加える)
●又貸しはしない。
●使ったら元の場所に戻す。
上記のような簡単なルールを1つ設けるだけでも十分と考えます。
