小3国語「すいせんのラッパ」指導アイデア
教材名:「すいせんのラッパ」(東京書籍 三年上)
指導事項:C読むこと ア、ウ
執筆/香川県公立小学校教諭・白川恵美子
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、香川県公立小学校校長・川井文代
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
本単元では、登場人物の行動や気持ちについて叙述を基に想像を広げながら読み、それらが伝わるように音読することがねらいです。第二学年までに獲得した音読の力(明瞭な発音で文章を読むこと、ひとまとまりの語や文として読むこと、言葉の響きやリズムに注意して読むことなど)に加え、声の大小や速さ、間の取り方などを考えて、話の展開や登場人物の様子を想像して音読する力が求められています。
工夫の観点は声の大小や速さ、間の取り方に焦点化させます。音読発表会では、そう読むわけを発表した後に音読をするようにします。一人ひとりの感じ方に違いがあることにも気付くことができるような場を設定します。
単元の展開(7時間扱い)
主な学習活動
第一次(1~2時)
①これまでの読書経験をふり返り、音読発表会に意欲をもつ。
②「すいせんのラッパ」の範読を聞き、学習課題「好きな場面を選んで音読しよう」を設定し、学習計画を立てる。
第二次(3~6時)
③各自が音読したい場面を選ぶ。
→アイディア1 主体的な学び
④⑤⑥音読のしかたを考えて交流する。
・くり返しの表現である、かえるの掛け声の音読の工夫
ペア活動やグループ活動を取り入れて
→アイディア2 対話的な学び
・3回出てくるすいせんのラッパを比べて音読の工夫
すいせんとかえるや周りの様子とつなぎながら
→アイディア3 深い学び
第三次(7時)
⑦音読発表会をして、単元をふり返る。
アイディア1 自分の好きな場面を選択
自分の気に入ったかえるの行動や様子が、よく分かるように音読をしようという読みの目的意識をもたせます。好きな会話文や音の表現など、言葉のおもしろさだけに着目して選んでいてもよいことにします。
音読発表は1人1分程度(300字程度)で、読みたい場所を決めます。選んだ理由も書かせておくことで、音読の工夫と読みをつなげていけるようにします。
全文を掲示し、だれがどこを選んでいるのかがよく分かるようにしておきます。また、読み進めるなかで、音読したい場所が変更することも構わないことにします。
わたしは豆つぶみたいなかえるが言った「ぴこぴん」という言い方がかわいくて好きだな。初めて冬眠から目覚めて喜んでいる様子を音読したいな。
アイディア2 焦点化して話し合う
どの場面でも共通するくり返しの表現やかえるの言葉に焦点化して、音読の工夫を話し合います。ここで話し合って獲得した音読の工夫の観点を手がかりに、ほかの表現や違う場面での音読の工夫を考えていくようにします。
起きてきたグローブみたいなかえるのかけ声
イラスト/やひろきよみ 横井智美
『小三小四教育技術』2019年4月号より