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忘れ物の指導をやめてみませんか?かわりにできる2つの代替案とは?

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教師をしていて最も悩むことの一つに、「児童が忘れ物をしたときの対応」があるのではないでしょうか。クラスに必ず一人はいるであろう、頻繁に忘れ物をする子。この子にどのような指導をするのか、頭を悩ませている先生も多いことでしょう。そんな、忘れ物がなくならない子への対応の仕方を考えていきます。

執筆/大阪府公立小学校教諭・浅野学

学校へ行く準備をする子
写真AC

なぜ「忘れもの」をしてしまうのか?

毎日のように忘れ物をする子がクラスにいるとします。優しく言っても忘れて、厳しく言っても忘れて、帰る間際に確認しても、連絡帳に書いても、何をしても忘れ物をしてしまう子。そんな子に対してあなたは、忘れ物をしないようになってほしいと願いながら日々、あの手この手で指導を繰り返すことでしょう。しかし、忘れ物は一向になくならない。流石にイライラしてしまうこともあると思います。

私事ではありますが、自宅のキッチンの換気扇のスイッチを、ほぼ毎回消し忘れます。料理を始めるときにつけて、一生懸命に作り上げて、盛り付けして、食卓に並べて、いただきます。すると、妻から「換気扇つけっぱなし…」と声をかけられます。最近は私に声をかけずに、そっと消してくれるそうです。何が言いたいかというと、人は忘れてしまう生き物なのです。その前提に立って、対策を立てていきませんかという話です。

毎日のように忘れ物をしてしまう子。原因は何でしょうか。ここで教師として最も忘れてはいけない大切なことがあります。それは「忘れ物をしたくてする子はいない」ということです。忘れ物をわざとしてくるのであれば、それは忘れ物ではなく、先生への嫌がらせでしょうが、そんなことをする子はほとんどいないでしょう。では、原因として考えられることをいくつか考えてみましょう。

一つ目は、子どもの部屋や家自体が散らかっていて片付いていないパターンです。この場合、子ども一人の力で部屋や家の中を整理整頓して片付けることを望むのは難しいでしょう。そのような環境で忘れ物をしないというのは非常に困難です。何がどこにあるのか誰にもわからない状態です。

二つ目は、子どもの認知特性の話です。出発する前に忘れ物がないかを考えることをどうしても忘れてしまう、遊びのことで頭がいっぱいで忘れ物について先生に言われたことを忘れてしまう。先ほどの私の換気扇の話もまさに認知特性の話です。換気扇をつけることはしっかりと覚えているものの、換気扇を消すことは行動パターンに入っていない。何度言われても、消し忘れをしてしまう。消し忘れる行動がパターン化されているとも言えます。

この認知特性については少々厄介です。忘れ物をしてたくさんの人に迷惑をかけて、翌日は絶対に忘れ物をしませんと高らかに宣言したとしても、おそらく忘れてしまう。多くの人は信じられないかもしれませんが、そんな子は実際にいます。何度も繰り返しますが「忘れ物をしたくてする人はいません」。本人は毎回必死に反省しているのです。

では、どうしていったらいいでしょうか。ここは抜本的にやりかたを変えるしかありません。そうです、指導するのをやめましょう。いやいや、何を言っているのだと思うかもしれません。しかし、いくら指導しても忘れ物をしてしまうのならば、一度そのサイクルを断ち切るといのは必要なことです。指導するのをやめた上で、目先を変えてみましょう。その視点を二つ紹介します。

指導するのはやめる。視点を変えてみよう

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