小３算数「小数」指導アイデア《小数の多様な見方や表し方》

特集: 文部科学省教科調査官監修｢教科指導のヒントとアイデア｣

2025.01.29

単元の展開

第１・２・３時　数の仕組みに着目して、端数部分の水のかさや長さの表し方を考える。
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第４時　１めもりの大きさに着目して、小数を数直線に表す方法を考える。
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第５・６時　数の仕組みや構成に着目して、小数の位やその数字の意味、大小関係を考える。
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第７・８・９時　小数の表し方と仕組みに着目して、小数の加法及び減法、筆算の計算方法を考える。
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第10時　（本時）小数の仕組みや数の構成に着目して、小数の多様な見方や表し方を考える。
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第11・12時　学習内容の生活への活用、数学的な見方・考え方のふり返り。

本時のねらい

小数の仕組みや数の構成に着目して、小数の多様な見方や表し方を考える。

評価規準

小数の仕組みや数の構成に着目して、小数の多様な見方や表し方について考え、説明することができる。

本時の展開

今まで、小数についていろいろ学習してきました。どのようなことを学習してきましたか。

１Lと少しのとき、小数を使って1.3Ｌと表せました。

0.1Lは１Lを10等分した１個分の量です。

0.1Lが10個分で１Lです。

3.5は、0.1を35個集めた数でした。

小数も整数と同じように、数直線に表せました。大きさ比べやたし算、ひき算ができました。

小数も整数と同じように数の仲間だということを学習してきましたね。今日は小数についていろいろな表し方をしてみましょう。

りくとさんは走りはばとびの記録を取りました。
こうたさん「280㎝です。あと20㎝で300㎝でした」
先生「2.8mですね。あと0.2ｍで３ｍでしたね」
同じ長さでも280㎝と2.8mの２つの表し方ができます。
280と2.8をいろいろな見方をしてくらべましょう。

280はどのような数ですか。数直線を基に考えましょう。

あと20で300です。300より20小さい数とも言えます。

200より80大きい数です。

１めもりが10なので、10が28個分です。

280にはいろいろな見方がありましたね。では、2.8についても同じようにいろいろな見方ができるか考えましょう。

2.8について、いろいろな見方を考えましょう。

見通し

３よりどれ位小さい数かで表してみよう。

１と0.1がそれぞれいくつあるかで表してみよう。

0.1が何個分あるかで表してみよう。

自力解決の様子

A　つまずいている子
・数直線上に2.8を表せない。
・数直線上に2.8を表すことはできるが、どのように見たらよいかが分からない。

Ｂ　素朴に解いている子
・２や３など区切りのよい整数に着目して、その数を基にして大小で考えている。
・めもりの数に着目して、0.1が28個分と見る。

Ｃ　ねらい通り解いている子
・2.8を複数の見方で考えている。
・｢280のように……」など、280の見方と関連付けて説明しようとしている。

学び合いの計画　

小数の学習では、位取り表や数直線などを基に、十進構造になっていることが理解できるようにすることが大切です。本時では、280を「300より20小さい数」｢200と80を合わせた数」｢10が28個分集まった数」など既習の見方を想起させ、それらを基に2.8についていろいろな見方ができるようにします。

導入段階では、数直線を用いて280について今まで学んだ十進構造や相対的な数の見方をふり返り、どのように数を見たかを想起できるようにします。自力解決ではそれらを基に、数直線に表した2.8を、単位小数を基にして「0.1の28個分」、２と３にあることから「２より0.8大きい」｢３より0.2小さい｣、位に着目して「２と0.8を足した数」と見るなど、数直線や位取り盤とも関連させながら多様な見方ができるようにします。

比較検討段階では、個々に解決した方法をミニ黒板やICTを活用しスクリーンに提示させます。その際、提示した子供とは別の子供に発表させるなど、１人の考えを多くの子供で考えることで、考えがもてなかった子供に考える機会が与えられたり、クラス全体で考えを共有できたり、子供を中心とした学び合いの時間になります。

また、考えを発表させる際に「切りのよい数」や「0.1の○個分」という発言があったときには、それらのキーワードを板書に残しておくとよいでしょう。そうすることにより、考えを出し合った後のまとめでは、分かりやすく端的な表現になることが期待できます。

なお、１人１台端末の使用例として、子供それぞれの考えを吹き出しや書き込みを行って教師のパソコンに送信させることで、全体での意見共有がしやすくなるという活動が考えられます。