小2国語「ロボット」板書の技術
今回の教材は、説明文の「ロボット」です。本単元の学習活動は、「だいじなことばに気をつけて読み、2年1組ロボット図かんをつくろう」になります。2年最後の説明文のため、集大成として、これまでの説明文で学習したことを生かし、本時では、問いと答えを明確にさせる板書の工夫を紹介します。
監修/元京都女子大学教授
同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/埼玉県公立小学校教諭・須藤由恵(せせらぎの会)
単元名 だいじなことばに気をつけて読み、2年1組ロボット図かんをつくろう
教材名 「ロボット」(光村図書出版)
目次
単元の計画(全12時間)
- ロボットについて知っていることを話し合う。「ロボット」の教材を読んで、感想を交流し、学習の見通しをもつ。
- (※1と同様)
- 内容の大体を確かめる。
- 2~4のまとまり(段落)を読み、問いの答えと大事な言葉を見付ける。
- (※4と同様)
- (※4と同様)
- どんなロボットがあればよいと思うかを考えて、友達と伝え合う。
- (※7と同様)
- ロボットについて書かれた本から、紹介したいロボットを選ぶ。
- (※9と同様)
- 自分で選んだロボットとどんなときに助けてくれるのかを書き出す。
- 友達と交流し、学習を振り返る。
板書の基本
〇既習の学習を生かしながら、内容の大体が分かる板書
「ロボット」の教材は、2年生の最後の説明文の教材になります。1~2年生で学んできた集大成であり、既習事項を振り返ると共に3年生の学習につなげます。
そこで、2年生の学習で少しずつ書き記し、教室に掲示している「今までの学しゅう(指導事項・重要語句)」の短冊やカードを活用します。本単元では、説明文教材の「たんぽぽのちえ」「どうぶつ園のじゅうい」「紙コップ花火の作り方」、書くことの教材「こんなもの、見つけたよ」で学んだことを記した掲示を黒板に貼ります。3/12時間目では、「組み立て」「とい・答え」などの掲示を黒板に貼り直し、復習・確認をして、本時に生かしています。
〇問いと答えを明確にさせる板書
問いの文を模造紙に書いておき、4~6/12時間目の学習で活用できるようにします。その際、問いの大事な言葉に線を引き、着目する観点を明確にすることで子供が答えを導きやすくします。さらに、問い(1)とその答えは赤い線、問い(2)とその答えは青い線にして色分けすることで、問いと答えを対応しやすくします。
〇学習内容を確実に身に付ける板書
子供たちが、学習内容をしっかりと身に付けられるように、学習の終末時に、めあてに沿った大切なポイントを板書します。そして、学習内容が次時以降にも生かせるように、指導事項や重要語句を教室に掲示します。
板書を活用した授業の進め方(3/12時間目前半)
1 本時のめあてを確かめ、「ロボット」の音読をする
本時のめあて「ないようの大体をたしかめよう。」と板書し、学習の見通しをもたせます。そして、本文を全員で音読します(一斉読み)。
2 既習の学習を生かして、内容の大体を捉える
(1)教室には、「今までの学しゅう(既習の学習の指導事項・重要語句)」を掲示しています。そこから、「今までの学しゅう」「だいじなことば」「組み立て」「文しょうの組み立て」「とい・答え」の5枚の短冊やカードを黒板に貼ります。これらを生かして、教材「ロボット」の内容の大体を捉えることを伝えます。
(2)「ないよう」と赤チョークで板書します。
(3)まとまり(段落という言葉は未習)がいくつあるかを確認し、①~⑤と板書します。
まとまりは、「内容ごとにまとまっており、行の初めが1マス分下がっている」ということを適宜確認します。
※まとまりの番号は、前時までに教科書に記述しておきます。
(4)「問いと答え」がどのまとまりに書かれているかを子供たちに考えさせます。
初めに、問いの文章を確認します。1年生の教材の問い「どんな〇〇をしていますか。」「どのように〇〇でしょう。」などを手掛かりに、「どんな」「どのように」の言葉に着目させ、文章を探させます。
その後、①のまとまりに2つの問いが書かれていることを確かめ、「とい」のカードを貼ります。そして、子供たちには、教科書の文章に線を引かせます。1つ目の問い「どんなロボットがあるのでしょう。」には赤い線を、2つ目の問い「どんなときに、たすけてくれるのでしょう。」には青い線を引かせます。2つの問いを板書し、子供たちにもノートに書かせます。
次に、「問い」の答えのロボットが書いてあるまとまりを見付けさせます。文章や写真で3つのロボットが②③④のまとまりに書いていてあることに気付かせ、「ロボット1」などと板書します。そして、挿絵と「答え」のカードを貼ります。
(5)「まとめ」を考えさせる。
最後の⑤のまとまりの文頭にある「このように」は、文章のまとめにつながる大事な言葉であることを説明し、「まとめ」のカードを貼ります。そして、筆者の思いが書かれていることを確認し、「ひっしゃの思い」と板書します。
(6)「はじめ・中・おわり」の3つのまとまりを考えさせます。
「とい・答え・まとめ」や「ないよう」を板書で確認し、最後に「はじめ・中123・おわり」と板書します。
板書を活用した授業の進め方(3/12時間目中盤)
本時のめあてを振り返り、大切なポイントをまとめる
本時のめあてを全体で読み、文章がどのような内容になっていたかを板書でもう一度振り返ります。めあてに沿ってまとめるため、「大せつ ないようの大体は、になっている。」と板書します。四角で囲っている箇所の言葉を子供たちに考えさせます。
板書を活用した授業の進め方(3/12時間目後半)
1 大切なポイントを考える
そして、本時の大切なポイントである「はじめ・中・おわり」「とい・答え・まとめ」と板書します。
2 学習の振り返りをする
本時のめあての内容の大体を確かめることができたかを振り返ります。「~ができました。」「~が分かりました。」「これから、~をしたいです。」「~を知りたいです。」など、書き方を示し、ノートに書かせます。最後に、次時は②のまとまり(段落)を読み、問いの答えと大事な言葉を見付けることを伝えます。
板書を活用した授業の進め方(4/12時間目)
1 本時のめあてを確かめ、「ロボット」の音読をする
本時のめあて「②のまとまりを読み、といの答えを見つけよう。」と板書し、学習の見通しをもたせます。そして、本文の①、②のまとまりに絞り、言葉の意味を考えながら、声を合わせて音読させます(一斉読み)。
2 問い(1)を確認し、答えを文章から見付ける
前時までに模造紙に記述した1つ目の問い「どんなロボットがあるのでしょう。」を黒板に貼ります。「どんなロボット」に赤い線を引き、答えを探させます。
子供たちに答えを発表させ、「にもつを家にとどけてくれるものがあります。」と板書します。
ロボットという言葉が出てこないため、「〇〇ロボットと書いていないけれど、どうして答えを見付けることができましたか」と子供たちに質問することで、「もの」が「ロボット」を指すことを確認します。
さらに、問いに対する大事な言葉「にもつを家にとどけてくれるもの」に赤い線を引き、着目させます。
3 問い(2)を確認し、答えを文章から見付ける
2つ目の問いが、「どんなときに、たすけてくれるのでしょう。」であることを確認し、黒板に貼ります。問いの大事な言葉「どんなときに、たすけてくれる」に青い線を引きます。答えを探させ、教科書に線を引かせます。
問いが「どんなときに」なので、答えも「〇〇とき」と探し出すことを子供たちに指導します。また、「も」の意味を問いかけ、「ロボットは、届ける人がいるときでも、届ける人が足りないときでも、荷物を受け取ることができて、人を助けてくれる」と確認します。そして、答えの大事な言葉に青い線を引きます。
4 本時のめあてを振り返り、大切なポイントをまとめる
本時のめあてを全体でもう一度読み、めあてを振り返ります。本時のまとめとして「大せつ ◎といの答えを見つけるときには、だいじなことばにちゅうもくして読む。」と板書します。
5 学習の振り返りをする
本時の学習を振り返ります。最後に、次時は、3のまとまり(段落)を読み、問いの答えと大事な言葉を見付けることを伝えます。
※「2年1組ロボット図かん」は、タブレット端末を使って、以下のようにまとめたいと考えています。
<図かんの例>
構成/浅原孝子