小6国語科「漢字の広場④ 5年生で習った漢字」全時間の板書&指導アイデア
文部科学省教科調査官の監修のもと、小6国語科「漢字の広場④」(光村図書)の全時間の板書例、教師の発問、想定される児童の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。
監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/山梨大学大学院教授・茅野政徳
執筆/神奈川県川崎市立はるひ野小学校・田中真琴
目次
1. 単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、5学年で学習した漢字を中心に、これまでに学習した漢字を文や文章で用いる技能を身に付けます。絵の場面を文に表し、さらに同じ意味や似た意味の語句を使って言い換えた文を書くことで、国語だけでなく、他の教科・領域、日常生活でも積極的に漢字を使って表そうとする態度が育まれることを期待しています。
2. 単元の評価規準
3. 言語活動とその特徴
「漢字の広場」の学習は①から⑥まで設定されており、5年生で学習する漢字が網羅されています。
学習指導要領では、当該学年の前の学年までに配当されている漢字については、読めるだけでなく書けるようになることも目標としています。つまり、各学年の教科書に準備されているこの「漢字の広場」を意識的に行うことが、目標達成には必要です。
新出漢字の指導や習熟に時間を費やしてしまい、その学年以前の漢字についてはなおざりになってしまっている現状があるのではないでしょうか。
「漢字の広場④」では、テレビ局への見学がテーマとなり、報道で耳にする語句が多く提示されています。また、5、6年生の社会科の学習とつながるものも多く、テレビ局への見学に社会科見学で行った学校もあるのではないでしょうか。実際の経験やこれまでの学習を振り返りながら学習を進めることで、日常生活や学習の中で漢字を使っていこうとする態度につなげていきたいところです。
4. 指導のアイデア
〈主体的な学び〉 表現したくなる工夫を
書いてみたいと思うテーマや内容が設定されれば、子供は「面白そう」「やってみたい」と前向きに学習活動に取り組むでしょう。また、書いたものをもとに他者と交流する場を設定することも学習への能動性につながるでしょう。
「漢字の広場④」では、テレビ局の様子が絵になっています。そこで、実際にテレビ局の見学を実況中継しているつもりで、文章を書くという活動を設定してみました。
ニュースキャスターになったつもりで書く原稿は、普段とは違った表現が必要ですが、多くの子供がテレビ等で実況中継の様子やアナウンサーがニュースを伝える場面を見たことがあるでしょう。書いた原稿を実際に実況中継するように読んでみる時間を確保することで、友達からの感想をもらうことができます。
また、友達が書いたものを聞くことで、新たな表現のよさに気付くことができるでしょう。難しい熟語や普段は使用しない語句も、キャスターを演じることで、使ってみようという意識が芽生えることを期待しています。
5. 単元の展開(1時間扱い)
単元名: 漢字の広場④ 5年生で習った漢字
【主な学習活動】
(1時)
示されている語句と絵を手がかりに、相手にわかりやすい文や文章を書き、友達に実況中継のように伝える活動を行うことで、語句の使い方を確かめたり、文や文章を整えたりする。
6. 全時間の板書例と指導アイデア
イラスト/明野みる、横井智美