小6国語科「漢字の広場⑥」全時間の板書&指導アイデア

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文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」

文部科学省教科調査官の監修のもと、小6国語科「漢字の広場⑥」(光村図書)の全時間の板書例、教師の発問、想定される児童の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

小六 国語科 教材名:漢字の広場⑥(光村図書・国語 六)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/山梨大学大学院教授・茅野政徳
執筆/千葉大学教育学部附属小学校・青木大和

1. 単元で身に付けたい資質・能力

漢字の広場では、児童が5年生までに学習した漢字を振り返り、活用できることを目指します。
「想像思い出日誌」を書く活動を通して、既習漢字を積極的に活用していくようにします。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

〇 教材の特徴

漢字の広場の学習が6回目を迎え、いよいよ最後の学習となります。
漢字の学習における目標は、テストで正解するだけではなく、活用できることであると児童と共に改めて確認しましょう。
漢字の学習となると、どうしても新出漢字を覚えているかどうかを注視しがちで、前年度に学習した漢字を振り返ることがおろそかになってしまう場合があります。
しかし、学習指導要領では、「漢字の読みと書きについては、書きの方が習得に時間がかかるという実態を考慮し、書きの指導は2学年間という時間をかけて、確実に書き、使えるようにすることとしている。」とされており、前年度の学習の振り返りの重要性についても言及しています。
漢字の広場は、そうした学習の振り返りを各教師の裁量に委ねるのではなく、単元として位置付けることによって児童の既習漢字の定着を図っています。そのため、1時間単元とはなりますが、重要な学習であることを改めて記述しておきます。

さて、漢字の広場⑥は、卒業の日が近付いている児童に合わせて、これまでの学校生活を振り返るようなイラストと、それに関連した語句が記載されています。
児童が実体験をまじえながら、自分事として思い出を想起し、漢字を活用できる教材となっています。記載されている語句の活用を強制するのではなく、それらの語句をイラストの様子を想像するための手がかりとすることで、児童が自然と活用することができます。

〇 言語活動と指導事項との関連

「想像思い出日誌」とは、本教材の6年生にどのような思い出があるかを、イラストや記載されている語句から想像し、記載されている語句を活用してその思い出を記述するものです。
漢字の広場⑥で記載されている語句の中には、「製造過程」や「新幹線」「講堂」といった、誰もが体験しているとは言えず、すべての学校に存在しているとも言えないものもあります。
そのため、「想像思い出日誌」となるのです。
本単元では、自分の体験を想起し、相手に伝わりやすい日誌を書くことが目的ではありません。あくまで、教科書に記載されている語句をイラストと正対させた形で文章の中で活用していくことが目的です。児童が既習漢字を想起し、活用していけるような手立てを仕組んでいく必要があります。

4. 指導のアイデア

〈主体的な学び〉 イラストごとの日誌を書けるようにする 

本教材では、学校行事と日常生活のイラストによって学校生活の様子を表しています。
イラストの下に日誌を書けるようなワークシートを用意します。あるいは、タブレット等を活用し、同様のワークシートをデジタル化して日誌を記述してもよいでしょう。
このことで、イラストに合わせて記載されている語句を活用しようとする意識が高まり、既習漢字を振り返り、どのような活用の仕方があるかを粘り強く考えるようになるでしょう。
また、今回は「想像思い出日誌」という言語活動を設定しています。自分が経験していない虚構を創り出すことができる活動です。そのため、既習漢字の使い方に重点を置きつつも、児童はイラストと語句から想像したことを、自由な発想のもとに書くことができます。

〈深い学び〉 漢字の広場①~⑥の振り返り

漢字の広場⑥をもって6年間の漢字の広場は終わりを迎えます。
そこで、1年間で行った漢字の広場を振り返る時間を授業後半に設けるようにします。
過去の漢字の広場で学んだ漢字を活用してもよいことを伝え、違った視点での日誌を書けるようにします。そのことで、児童が自ら経験したり、考えたりしたことのある6年間の出来事と、活用しようとしている漢字の知識とが幅広く相互に関連し合い、より理解を深めることができます。

 ワークシート(一部)
ワークシート(一部)
 実際に児童が書いた日誌の一部(イラスト等省略)
実際に児童が書いた日誌の一部(イラスト等省略)

5. 1人1台端末活用の位置付けと指導のポイント

イラスト/横井智美

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