小4国語「つながりに気をつけよう」京女式板書の技術

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見やすく理解しやすい「単元別 板書の技術」元京都女子大学教授・同附属小学校校長 吉永幸司監修
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今回の教材「つながりに気をつけよう」の単元のめあては、「言葉について考えよう」です。学習内容は、分かりにくい文章を分かりやすい文章にする、です。そのため、「主語と述語が対応していない文章」「修飾している言葉がはっきりしない文章」を分かりやすい文章にするには、どのようにするのがよいのかを意識した板書の工夫を紹介します。

監修/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永幸司
執筆/前京都女子大学附属小学校講師・川口知佐子

 

単元名 言葉について考えよう
教材名 「つながりに気をつけよう」(光村図書出版)

単元の計画(全3時間)

1 自分が書いた文章を読んで「分かりにくい」と思ったことを振り返り、教科書に掲載されている「主語と述語が対応していない文章」「修飾している言葉がはっきりしない文章」を分かりやすい文章にする。
2 1文が長いと分かりにくいことに気付き、短く切って、つなぎ言葉を入れた文章にする。
3 教科書P104の文章を分かりやすくなりように書き直し、友達と見せ合う。

板書の基本

指導内容になる語句が理解できることに配慮した板書

教材「つながりに気をつけよう」は、主語と述語の対応、読点や言葉の順序、1文の長さなどについて考えることが主な学習内容になっています。

板書においては、指導内容が理解できるように、文章を読み、主語・述語・修飾語などを四角で囲んだり、線を引いたりします。また、対応する言葉が分かるように、色のチョークで囲んだり、線を引いたりします。

この板書の意図は、大事な語句や文のつながりについて理解し、対応している言葉の有無を理解できるようにすることです。また、意識してほしい言葉を分かりやすく、また、子供がノートに書く際にも、意識して矢印を書き、つながりを見ることができるようにします。

比較して考えることができる板書

分かりにくい文章と分かりやすく対応した文章が比較できるように、矢印で板書しました。最初に右側の文章を書き、授業において、左側の文章に直していく過程で、分かりやすくすることを意図しています

板書のコツ(1/3時間目前半)

小4国語 「つながりに気をつけよう」京女式板書  板書
1/3時間目前半の板書

板書のコツ①

〇学習の見通しをもつ

日付、題名を板書し、続いてめあて「つながりに気をつけて分かりやすい文章にしよう。」と板書します。「めあて」の内容を伝え、「自分が書いた文章を読み返し、読みにくい」と感じたことを見付けさせます。その後、ペアで話し合わせます。

板書のコツ②

〇主語と述語が対応していない文を読み考える板書

「ぼくの目標は、外交官になって世界各国をめぐります。」の文を板書します。子供には、文をノートに写すことを指示します。

この学習活動では、まず、読みにくいところを見付けます。見付けたところについてペアで話をした後、全体で交流できる時間を設けます。「分かりやすく直した文章にするために、どうしたらよいか」について話し合って、出てきたことを次のように板書します。

「目標は」が主語、「めぐります」が述語であることに着目し、赤のチョークで囲みます。さらに、正しい文を書き、同じように、主語・述語をチョークで囲みます。

このようにして、主語と述語とが対応すると分かりやすくなることに気付けるように板書します。その板書をノートに書き写し、矢印で対応させることにより、つながりが大切なことを理解できるようにします。

板書のコツ(1/3時間目後半)

小4国語 「つながりに気をつけよう」京女式板書  板書
1/3時間目後半の板書

板書のコツ①

意味が分かる文を作る事例を読み、読点を打ったり言葉の順序を入れ替えたりして、テキストを考える板書

学習内容②の文章(教科書P102)を板書して、分かりにくいところを見付けます。

「女の子は必死で走る弟を追いかけた。」の文を板書し、その文をノートに写させます。その後、どんな様子を表現した文章であるかということを考えて、発表させます。

板書では、「必死で」という修飾語が、どの言葉をくわしくしているかが理解できるように、線でつないだり、枠で囲んだりして理解を深めるようにしました。

板書の過程において、読点や順序がポイントであるということが分かるように、赤でキーワードを書きます。

板書のコツ②

〇授業のまとめをする

分かりやすい文章にするためのポイントをまとめとして、黒板の左端に箇条書きで板書しました。

①のまとめとして、「主語と述語は対応させる」、②のまとめとして、「修飾語に関わる内容と読点、言葉の順序」について板書します。

 

構成/浅原孝子

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