小6社会「長く続いた戦争と人々のくらし」指導アイデア

特集
文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」
小6社会「長く続いた戦争と人々のくらし」指導アイデア バナー

執筆/東京都港区立港南小学校教諭・盛裕史
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登
     国士舘大学教授・秋田博昭

年間指導計画

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・日本国憲法とわたしたちの生活
・政治の働き・社会保障
・むらからくにへ
・天皇中心の国づくり
・日本風の文化
・源頼朝と鎌倉幕府
・今に伝わる室町文化
・織田・豊臣の天下統一 
・江戸幕府と政治の安定
・町人の文化と新しい学問
・明治維新と新しい国づくり
・世界に歩みだした日本
・長く続いた戦争と人々のくらし
・戦後の新しい日本
・つながりの深い国々(国際交流)
・世界の課題と日本の役割

目標

日中戦争や我が国に関わる第二次世界大戦などについて、世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して、遺跡や文化財、地図や年表などの資料で調べるなどしてまとめ、我が国の歴史上の主な事象を捉え、我が国の歴史の展開を考えるとともに,歴史を学ぶ意味を考え、表現することを通して、我が国は戦時体制に移行し、連合国と戦って敗れたこと、国民が大きな被害を受けたことを理解できるようにするとともに、主体的に学習問題を追究・解決しようとする態度を育てる。

評価規準

知識・技能

①世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などについて、遺跡や文化財、地図や年表などの資料で調べて、必要な情報を集め、読み取り、日中戦争や我が国に関わる第二次世界大戦を理解している。
②調べたことを年表や文などにまとめ、我が国は戦時体制に移行し、連合国と戦って敗れたこと、国民が大きな被害を受けたことを理解している。


思考・判断・表現

①世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して問いを見いだし、日中戦争や我が国に関わる第二次世界大戦について考え、表現している。
②日中戦争や我が国に関わる第二次世界大戦を関連付けたり総合したりして、この頃の世の中の様子を考え、適切に表現している。


主体的に学習に取り組む態度

①日中戦争や我が国に関わる第二次世界大戦について、予想や学習計画を立てたり見直したりして、主体的に学習問題を追究し、解決しようとしている。

学習の流れ(8時間扱い)

問題をつくる 2時間

  • 当時の日本の社会や人々の生活の様子について調べ、学習問題を設定する。

(学習問題)
戦争によって、人々の生活はどのように変わったのだろう。

  • 学習問題に対する予想を基に、学習計画を立てる。

追究する 5時間

  • 日中戦争について調べる。
  • 戦争がアジア・太平洋地域にどのように広がっていったのか調べる。
  • 戦争中の人々の生活の様子を調べる。
  • 戦争によってどのような被害があったのか調べる。
  • 長く続いた戦争がどのようにして終わったのかを調べる。

まとめる 1時間

  • 学習問題について調べたことをまとめ、表現する。

問題をつくる

1911年から1945年までの日本の社会の様子や、戦争中の人々の生活の様子について話し合い、学習問題を設定する。(1、2/8時間)

導入のくふう

我が国の国力が充実し、国際的地位が向上していたことと、戦争に敗れ、大きな被害を受けたことを関連付けて考える活動を設定することで、国の様子や国民生活が大きく変化したことに関心をもって追究できるようにする。

 


1時間目 
当時の日本の社会や人々の生活の様子について調べ、学習問題を設定する。

小村寿太郎が条約改正を成し遂げた1911年から、日本の社会はどのように変わっていったと思いますか。

「世界に認められた」ということで、世界の中でも進んだ国として、豊かになっていったのではないかな。

日清戦争や日露戦争に勝利して、どんどん軍隊が強くなって自分たちには力があると自信をもつようになったのではないかな。

国力が強くなると、人々の生活も大きく変わったのではないかな。電気やガス、水道などが整備され、生活が便利で豊かになっていたと思います。

力をもつようになると、他の国に対して、日本がされたような不平等な条約を結ばせようとしたのかもしれないと思いました。

8月15日は終戦記念日です。この終戦というのは、1945年8月15日に、連合国との戦争が終わったことを言っています。この戦争について、知っていることを話し合ってみましょう。

小6社会「長く続いた戦争と人々のくらし」 イラスト

※資料については、地域の実態を考慮して提示するようにすることが大切です。

第二次世界大戦という言葉を聞いたことがあります。世界ということだから、たくさんの国と戦争をしていたのかな。

この戦争では、どのぐらいの人が亡くなったのかな。どんな被害があったのかな。それから、戦争が終わることになったのは、何かきっかけがあったのかな。

戦争中の人たちはどんな生活をしていたのかな。疎開という言葉を聞いたことがあるけれど、実際はどのような生活をしていたのかな。食べ物はあったのかな。

戦争があり、東京が焼け野原になってしまったとおばあちゃんが言っていました。きっと人々の暮らしも大きく変わったのではないかと思います。

 
戦争によって、人々の生活はどのように変わったのだろう。

※2時間⽬は、学習問題に対する予想を基に、学習計画を⽴てる。

追究する

日中戦争や我が国に関わる第二次世界大戦、当時の人々の生活の様子を調べる。
(3、4、5、6、7/8時間)

調べる活動のくふう

複数の資料を関連付けて読み取ることで、当時の国際状況や日本の状況を捉えることができるようにする。

 


4時間⽬ 
戦争がアジア・太平洋地域にどのように広がっていったのかを調べる。

イラスト/高橋正輝、横井智美

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