小4算数「そろばん」指導アイデア《そろばんによる簡単な小数のひき算》
執筆/横浜市立西富岡小学校教諭・純岡尚史
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、島根県立大学教授・齊藤一弥
目次
単元の展開
第1時 そろばんによる簡単な小数のたし算、そろばんの特徴
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第2時(本時)そろばんによる簡単な小数のひき算
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第3時 そろばんによる大きい数のたし算とひき算
本時のねらい
そろばんの仕組みに着目し、十進位取り記数法の仕組みや筆算と関連付けながら、小数のひき算の仕方を考えている。
評価規準
そろばんの仕組みに着目し、十進位取り記数法の仕組みと関連付けながら、小数のひき算の仕方を考えている。(思考・判断・表現)
本時の展開
※北海道限定ペットボトル スマートボトル参照
北海道で発売されていたペットボトルです。どのくらいの量のお茶が入ると思いますか。
1Lよりは大きくて、1.5Lよりは小さいから1.3Lぐらいだと思います。
実は、1.25L入るペットボトルなんです。0.76L飲むとどんな式になるか分かりますか。
1.25-0.76になります。
小数のひき算の場合も、そろばんを使って計算することができそうですか。
小数のたし算のときと同じように、まず筆算にするとできそうです。
筆算を使うと、1.25-0.76は、0.49になります。
筆算とそろばんの操作では、計算の仕方のどこが違っていたのでしたか。
筆算は、一の位から計算するけど、そろばんは、大きい位から順に計算をしていきます。
筆算と同じように位ごとに考えると、そろばんを使って考えることができそう。
そろばんの仕組みと十進位取り記数法の仕組みを関連付け、数の表し方を考え、数の入れ方や取り方を説明することができる。
見通し
筆算で答えを出すと0.49だから、0.49になるように操作をすればいい。(結果の見通し)
筆算は、一の位から計算するけど、そろばんは大きい位から計算すればいい。(方法の見通し)
はじめに0.7を引いて、その次に0.06を引けばできそう。(方法の見通し)
自力解決の様子
A つまずいている子
定位点が分からず、1.25の置き方に困っている。
B 素朴に解いている子
筆算と同じように、一の位から順にそろばんを操作して計算している。
C ねらい通り解いている子
大きい位から順にそろばんを操作して計算している。
学び合いの計画
第4学年の「そろばん」は、「A 数と計算」の領域に位置付けられています。
そろばんには、計算器具と算数教具としての側面があることを捉えておくことが肝要です。
そろばんは、大きい位から計算するので、概数や概算の捉え方を身に付けることができます。
筆算との相違点や類似点を比較することで、学習に見通しをもって取り組み、計算の技能の習熟が期待できます。
小数の学習場面においては、定位点を意識することが大切です。
また、そろばんでは、五珠があるので、5の合成・分解、10の合成・分解、5と10の合成・分解による計算の方法が考えられます。
指の使い方や珠の運び方にはあまりこだわらずに、そろばんの計算の仕組みについて理解を深めことが大切です。
整数については、億や兆までの数を表すこと、小数については[MATH]\(\frac{1}{100}\)[/MATH]の位までの数を表すことができるようにします。
本時の学習では、5と10の合成・分解の場面を設定しています。
子供の実態に十分に考慮する必要があります。
また、既習の「かさ」や「小数の筆算」と関連付けた問題場面を設定することで、子供が学習の見通しをもち、自ら課題解決に向けて問題を解決していく文脈を位置付けます。
さらに、数学的に表現・処理したことを価値付け、十進位取り記数法やそろばんの計算の仕組みについて実感できるようにします。
ノート例
イラスト/横井智美