「学校保健安全法」とは?【知っておきたい教育用語】
学校保健安全法(昭和33年法律第56号)は、学校における児童生徒等及び職員の健康の保持増進を図るための法律です。学校保健法等の一部を改正する法律(平成20年法律第73号)により、2009(平成21)年4月1日に学校保健法から学校保健安全法となり、学校における安全管理に関する条項を加え、各学校において、学校安全計画及び危険等発生時対処要領(危機管理マニュアル)の策定が義務付けられました。また、学校保健安全法施行規則もあります。
執筆/文京学院大学名誉教授・小泉博明

目次
学校保健安全法の目的
学校保健安全法は「学校における児童生徒等及び職員の健康の保持増進を図るため、学校における保健管理に関し必要な事項を定めるとともに、学校における教育活動が安全な環境において実施され、児童生徒の安全の確保が図られるよう、学校における安全管理に関し必要な事項を定め、もつて学校教育の円滑な実施とその成果の確保に資すること」(第1条)を目的とします。
学校保健に関する規定
学校保健安全法の第2章(第4条~第25条)は、学校保健に関する規定です。
第1節「学校の管理運営等」は、学校保健に関する学校設置者の責務、学校保健計画の策定等、学校環境衛生基準、保健室に関する条文です。学校環境衛生基準とは学校における換気、採光、照明、保温、清潔保持その他衛生に係る事項について、児童生徒等及び職員の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準のことです。また、健康診断、健康相談、保健指導、救急処置その他の保健に関する措置を行うため保健室を設けなければなりません。
以下は、第2節「健康相談等」、第3節「健康診断」、第4節「感染症の予防」、第5節「学校保健技師並びに学校医、学校歯科医及び学校薬剤師」、第6節「地方公共団体の援助及び国の補助」という内容です。感染症の予防では、出席停止や臨時休業について規定をしています。なお、新型コロナ感染症を第二種の感染症に位置付けることに伴い、新型コロナ感染症に係る出席停止の期間の基準を「発症した後五日を経過し、かつ、症状が軽快した後一日を経過するまで」と規定しました。