小3 国語科「漢字の意味」全時間の板書&指導アイデア

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1人1台端末時代の「教科指導のヒントとアイデア」

文部科学省教科調査官の監修のもと、小3 国語科 「漢字の意味」(光村図書)の全時間の板書例、発問、想定される児童の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

小三 国語科 教材名:漢字の意味(光村図書・国語 三下)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/東京都西東京市立田無小学校校長・前田 元
執筆/東京都西東京市立田無小学校副校長・西村太吾

1. 単元で身に付けたい資質・能力

この単元では、漢字にはそれぞれに意味があり、意味によって使い分けがなされていることを理解し、実際の場面に合わせて適用することを目指します。漢字の意味を理解しながら用いることで、漢字仮名交じり文のよさが感じられるようにしていきます。

2. 単元の評価規準

評価規準

3. 言語活動とその特徴

この単元では、「同音異字を使って文を作り、それをクイズにして友達と出し合う」という言語活動を設定します。
第1時では、同音異字を扱いながら、「平仮名では意味の区別がつかなくても漢字を使えばすぐに区別がつくこと」や、「漢字が違えば文の意味も違ってくること」などを理解していきます。
これをもとにして、第2時では教科書の巻末p148の「これまでに習った漢字」から自分で同音異字を見つけ、それらを使って文を作り、友達と問題を出し合う活動をします。

導入では、同音異字を紹介しながら、「漢字にはそれぞれに意味があり、意味によって使い分けがなされている」ということを確かめていきます。児童は、提示された画面を見たり、自分でスライドの漢字を操作したりしながら、同音異字を使い分けることを理解していきます。
そして、児童一人一人が同音異字を使った文のクイズを出し合う中で、自分で文を作ったり、それを友達と交流したりすることを通して、学習の定着を図っていきます。

4. 指導のアイデア

〈主体的な学び〉 イラストを活用して、学習のねらいを実感する

まず単元のねらいを明示するためのスライドを提示します。
「人形にはなをつける。」という文について、「はな」と平仮名で表記されているとよく分からないこと、「花」や「鼻」のように、漢字になっているとすぐに意味の区別がつくことを確かめていきます。イラストを用いることで、「漢字の意味に気を付けて、漢字を使おう。」というねらいが児童にはっきりと伝わるようにしていきます。児童が「やってみたい」「できそうだ」という気持ちをもつことができるように、イラストを見ながら、楽しくやり取りをしていきます。

〈対話的な学び〉 お互いに問題を出し合おう

教科書p61の設問③に一人一人が取り組んでクイズを作り、互いに出し合います。
「自分も同じようなクイズを作ったよ。同音異字の使い方が分かってきたよ。」と自信をもったり、「同じ同音異字の漢字を見つけたけれど、全然違う文ができたね。」とお互いの個性を認めたりすることをねらっていきます。
また、交流を通して同音異字の使い方の間違いを見つけ、それを修正したり、自分では見つけられなかった同音異字の組み合わせを知ったりと、交流を通して学習を深めることもできるはずです。

5. 1人1台端末活用の位置付けと指導のポイント

(1)言葉の意味を考えながら1人1台端末を操作する

GoogleスライドやMicrosoft PowerPointなどのプレゼンテーションアプリを用いて、同音異字の漢字について紹介していきます。
児童が1人1台端末での操作が分かったところで、児童一人一人の端末にスライドを送ります。
今度は児童一人一人がスライドを操作しながら、2種類のイラストに合った同音異字を選んで文中の四角の中に入れる活動をしていきます。端末を操作しながら言葉の意味を考えることで、より実感の伴った理解につなげていきます。

(2)児童一人一人が考えた同音異字の問題を交流する

教科書の巻末p148の「これまでに習った漢字」から同音異字を見つけ、それらをもとにして文を作り、それをクイズにして友達と出題し合います。
その際、ノートに書いたクイズをタブレットで撮影し、Google classroomなどにアップして共有します。より多くの友達のクイズを目にすることができるうえに、なかなかうまくクイズが作れない児童にとっても、早く作れた児童のクイズを参考にしやすくなります。

6. 単元の展開(2時間扱い)

 単元名: 漢字の意味

【主な学習活動】
・第一次(1時2時
第1時 漢字の意味に気を付けて、漢字を使い分けよう
➀ スライドを見て、平仮名では意味の区別がつかないものも、漢字を使えばすぐに区別がつくことや、漢字が違えば文の意味も違ってくることを理解する。
② 同じ音や訓をもつ漢字を文に合わせて使い分けてみる。
③ 巻末p148の「これまでに習った漢字」を見ながら、同音異字を見つける。

第2時 漢字の意味に気を付けて、漢字を使い分けよう。
➀ 前時の学習を思い出す。
② 前時に見つけた同音異字を使って文を作る。
③ 作った文の写真を撮り、Google classroomなどにアップする。
④ 友達が作った文(問題)を解く。
⑤ 解いた問題と感想を交流しながら、漢字には意味があり、文脈に即して使うことを確かめる。

全時間の板書例と指導アイデア

【1時間目の板書例 】

1時間目の板書例

イラスト/横井智美

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