小５らくらくUnit 4「He can bake bread well.｣④【モトヨシ先生のスライドde外国語】

2024年度教科書改訂に対応した記事もあります。
小５らくらくUnit ４「Who is this｣①【モトヨシ先生のNEWスライドde外国語】

パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語｣。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 5 Unit 4「He can bake bread well. ～身近な人を紹介しよう～」第４時（Can you ～? の表現を使って、先生のできること、できないことを予想してみよう）の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント（スライド）教材１つで、外国語の授業をらくらくクオリティアップ！

執筆／福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修／拓殖大学教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学５年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 5」のUnit 4「He can bake bread well. ～身近な人を紹介しよう～」全８時の４時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント（スライド）を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。

パワーポイント（スライド）を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで１時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。

• クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
• デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

○単元のゴール
身近な人を紹介しよう。
○本時の目標
Can you ～? の表現を使って、先生のできること、できないことを予想してみよう。

○言語材料
（表現）Can you ～? Yes, I can. No, I can’t. I/You/He/She can/can’t ～. Who is this? This is ～. He/She is ～. など
（語彙）動作（skateなど）、建物（stadiumなど）、楽器（guitarなど）、家族（fatherなど）、人（friendなど）

本時の流れ（例）

1. 挨拶
2. 点つなぎゲーム
3. 単元のゴール、本時のめあての確認
4. デジタル教科書 Let’s Listen ①
5. デジタル教科書 Let’s Try ②
6. 何か気が付くかな？
7. 先生に聞いてみよう！
8. なぞって書いてみよう！
9. デジタル教科書 Sounds and Letters
10. デジタル教科書 複数文字の書き取り
11. デジタル教科書 Sounds and Letters
12. ふり返り

各活動の流れ

①挨拶

元気に明るく挨拶をして、How are you? How’s the weather? などの質問をしてみましょう。

②点つなぎゲーム

ウォームアップとして、20までの数字で点つなぎゲームを行いましょう。教師やALTの先生が言った英語を線で結んでいく活動です。

数字の順番はランダムになっています。答えのスライドに読み上げる数字が書かれているので、教師（ALT）はそれを見て、ゆっくりと何回か言うようにしましょう。私は、このような活動の場合は３回言って、３回目を言うときにいっしょに英語を板書します。

このワークシートでは同じ数字がいくつもあるので、一番近い数字をつなぐように説明してください。

分かっても答えは言わないように、児童に最初に伝えておきましょう。もしくは途中で、ペアと小声で、答えが何かを話し合わせてもよいと思います。

③単元のゴール、本時のめあての確認

④デジタル教科書 Let’s Listen ①（P40）

デジタル教科書のリスニングを行います。登場人物の話を聞いて、できることに○、できないことに△を付けます。リスニングの前に、児童に簡単に予想をさせると、聞こうとする意欲を高めることができます。

⑤デジタル教科書 Let’s Try ②（P40）

教科書の内容です。教科書には、
①先生ができるかできないかを予想して、インタビューをしよう。
②友達にインタビューをして、（　　）にできる人の名前をメモしよう。

と書かれています。本時では①のみを扱い、②は次時にワークシートを活用して行います。

「先生ができること」なので、担任でもよいですし、ALTの先生のことを予想させてもよいと思います。今回はALTの先生ができるかできないかを予想して聞いてみる形式で行う方法を紹介します。英語で行う場合は、おおよそ以下のようにやり取りするとよいでしょう。

ここでさらに Tim, what can you cook? と聞き、話を広げてもよいでしょう。ALTに聞いた後は、児童にも聞いてみましょう。教師から児童の何名かに聞いてもよいですし、ペアで話をさせてもよいと思います。短時間でできるのでおすすめです。

１問目が終わったら、２～４問目も同様に、予想してから質問をするという流れを児童は理解できていると思います。そこで、３問の予想を先にさせるとよいでしょう。

１問目と同じように、児童全員で Can you～? の表現でALTに質問をさせましょう。もちろん１人に聞かせるということでもよいと思います。

パワーポイントには、ALTがいない場合として、事前に録音して音声をスライドに入れておく形で準備してあります。学校の実態に合わせて、事前に録音したデータに差し替えてください。授業を行う日にALTがいる場合は、音声データは不要なので削除して行いましょう。また、実際にギターを弾いているところを事前に録画できる場合は、録画したデータをスライドに入れておくのもよいですね。このような教科書のリスニングでも、指導法をちょっと工夫すると、児童とやり取りしながら、そして楽しみながら行うことができると思います。

⑥何か気が付くかな？

これまでの４時間で、児童はcanの表現の学習を進めてきました。肯定文や疑問文にも少しずつ慣れてきたところで「言葉の気付き」の指導を行ってみましょう。

児童が今後、インタビューをしていくときに起こりうる間違いを扱います。知識をただ教え込むのではなく、児童の “気付き” を大切にし、児童とやり取りをしながら進めてみましょう。

児童の気付きを見取るために以下のスライドを提示し、授業の終末に活用しているふり返りシートを準備させましょう。ふり返りシートも、毎回感想を書き入れさせるだけでなく、言葉に関する児童の気付きを見取る際にも活用すると、わざわざそのためのワークシートを準備しなくてもよく、教師自身の時短にもつながると思います。あるものを活用することも大切ですね。

スライドを指さしながら、私は以下のように進めます。

もう１度同じことを繰り返します。

ここでのポイントは説明しすぎないことです。児童の気付きを大切にしながら行いましょう。

英文を表示して全員で発話しましょう。

次にthe＋楽器も同じ要領で進めましょう。

⑥「何か気が付くかな？」で扱った表現が、次の⑥「先生に聞いてみよう」にうまくつながるようにスライドを作成してあります。児童はすでに何度か発話しているので、⑥の活動もスムーズにいくでしょう。

⑦先生に聞いてみよう！

次時に、友達のできること、できないことのインタビューを行います。そこで、もう１度教師のできること、できないことを予想させます。⑥で気付いたことを⑦の学習で生かせるか確認しましょう。児童は、⑤の学習で同じ活動をしているので、ワークシートを渡して予想させることはスムーズにできると思います。また、ウィンクや逆立ち、口笛なども取り扱うと、児童もわくわくしながら予想するでしょう。

児童が教師に質問するときは、ALTがいれば、

のように進めましょう。

ワークシートは、正解した得点を書く欄があるものと、ないものを用意しました。｢ポイントあり」にするか「ポイントなし」にするかは、学級の実態に応じて考えるとよいと思います。
私も、数年前までは「ポイントあり」で行うことが多かったのですが、今は、ポイントがなくても児童が楽しんで行える場合は、なるべくポイントなしで行うように心がけています。児童の「聞いてみたい」という気持ちがあるのにも関わらず、ポイントがもらえた、もらえなかったということに児童の意識が向いてしまうからです。ここでは、児童の「聞いてみたい」という内的動機付けを大切にすることが重要です。

⑧なぞって書いてみよう！

これまでに学習してきた表現を “なぞって” 真似して書いてみる活動です。うすく印刷してある文字をなぞらせましょう。

ここでの指導のポイントは、教師が机間巡視をしながら Can you read this? と個別に発話させてみることです。ここで確認したいことは音声と文字の一致です。児童が指示された英文をすらっと言えたとしたら、その児童は音声と文字の認識ができはじめていると評価することができます。逆にここで読むことができない場合は、教師自身の指導をふり返り、インプットやアウトプットが足りなかったと捉え、改善するための判断材料となります。

私は、児童がなぞっている間は、ワークシートにある英文をできるだけ多く読ませて評価しています。また、文字を読むことが不安な児童もいるので、教師が Can you read this? と聞き、児童が I can play basketball. の文を発話したら、すかさず Very good. I can play basketball. と大きな声でその英文を発話します。これは、その児童に対しての支援ではなく、他の児童に聞かせるためです。
また、上位児童には全部読ませたり、ワークシートの質問をそのまま児童に聞いてみたりすることもできます。なぞりの活動のときこそ、机間指導が重要です。是非、同じように指導してみて、自身の指導のふり返りの時間としてみてください。

⑨デジタル教科書 Sounds and Letters（P88、P89）

本時はｈ～ｐの小文字９文字を扱います。児童への負担を考えると、年間を通じて少しずつコツコツと取り組ませていくことがよいと考えています。

⑩デジタル教科書 複数文字の書き取り（P93）

３文字のアルファベットを続けて聞いて書く活動です。音声を入れてありますので、そのまま使えます。本時はOMGとなるようにしました。実態に応じて複数回聞かせたり、Picture Dictionary P42を開かせて、児童がアルファベットを参考にできるように手立てを講じたりしましょう。

⑪デジタル教科書Sounds and Letters（P95）

音声を聞いて、始まりの音が同じ絵の□に✓を入れよう。

本時は始まりの音②と③を行います。短時間で少しずつ行っていくとよいと思います。

⑫ふり返り

単元のゴールを設定したらCan-Doリストを作成してふり返りを行います。本時の学習の感想を全体で共有しましょう。ふり返りは⑨の前に行ってもよいと思います。

居村啓子（いむらけいこ）
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得｣、｢フレーゾロジー｣。

本好利彰（もとよしとしあき）
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。

パワーポイント（スライド）ダウンロード

５年Unit4-4パワーポイント（25スライド）、ワークシート（４点）

※ダウンロードデータのサンプルをご覧になりたい場合は、こちらの記事にある無料ダウンロードを参考にしてください。

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構成／浅原孝子　イラスト／畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美 　アニメーション／鶴岡信治　歌・チャンツ／本田有紀子