【相談募集中】教科主任からの授業へのダメ出しに疲弊している

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「全国教育交流会」代表

中野敏治

教科主任から、毎週の授業研修では「その場しのぎの授業だ」「考えて授業をつくっているのか」などとダメ出しばかり。土日も仕事をしなさいとまで言われ、転職も考えているという1年目の先生からの相談が、「みん教相談室」に届きました。ここでは、元中学校校長、「全国教育交流会」代表の中野敏治先生からのアドバイスをお届けします。

イラストAC

Q.どうしたら教科主任が納得する授業をつくれるのでしょうか。授業研修の日が嫌で仕方ありません

教職1年目です。毎週の授業研修で、何をしたら教科主任が納得できる授業をつくり上げられるかがわかりません。毎回、その場しのぎの授業だ、考えて授業をつくっているのかと詰められて怖くなってきました。しっかり勉強していない私が悪いのですが、どうしたらよい授業ができるのか、何を生徒に学ばせたいのかの「何を」という部分が思いつきません。更に言えば、誰に相談して、どうアドバイスをもらったらいいかもわからず、ただただ授業研修の日が嫌になっている毎日です。また、教科主任からは、土日もあるからその間に仕事をしなさいと言われ、私は1日は休みたいと伝えると失望されたような表情をされました。正直仕事を転職したいです。でも、この1年間は頑張らないといけないと思っているので、職場の人間関係についてどうしたらいいのかアドバイスをお願いします。(なな先生・20代女性 中学校2年生 国語)

A.授業は生徒のためにあることを思い出しましょう

教員1年目ということで、経験のある先生方ならサラッと行うことも、一つ一つ不安があり、戸惑っているのではないでしょうか。きっとわからないことばかりだと思います。なな先生だけではなく、どの教師も同じような時期はあります。そう頭では分かってはいても、教科主任からのプレッシャーを感じる毎日では、不安はさらに高まってしまいますよね。

相談を読むと、授業づくりそのものについて知りたいというよりも、教科主任との関係性に悩んでおられると感じられましたが、まずは、そもそもの授業づくりについて、振り返って考えてみるとよいかと思います。

最初に確認をしておきたいのは、授業は誰のためにあるのかということです。それはもちろん目の前にいる生徒のためですね。教科主任の先生を納得させるためではなく、目の前にいる生徒がキラキラした目で授業に取り組み、学ぶ喜びを味わうために、授業をするのです。

授業はこうあるべきだ、という考えで授業をつくっていくと、目の前にいる生徒の姿が見えなくなります。教師だけでは授業はできません。生徒の姿があってこそ授業が成り立ちます。大切なのは、一人一人の生徒を大切にする思いです。その思いをもって教材研究や授業研修に取り組む必要があります。

自分の授業を振り返ってみる

授業のルールや押さえておきたい授業技術は身につけておきたいものです。

例えば、なな先生は授業中、机間指導をする時、どのように教室を歩いていますか? 多くの先生は、窓側の生徒から教室の後ろに歩き、そして廊下側の生徒の方へ。そして黒板の前に戻ります(多くの学校では、生徒の左手側に窓があり、右手側に廊下がある教室となっています)。これは無意識にグラウンドの周り方と同じように動いているのです。生徒の視線からみれば、廊下側の生徒にとって、先生はいつも最後に周ってくることになります。生徒の視線を意識することは大切です。放課後に誰もいない教室で、生徒の席に座って黒板を見ると、座る場所が変われば、こんなにも見え方が違うのかと気づくはずです。

また、自分の授業をICレコーダーで録音して、自分で聞いてみる方法もよいでしょう。話し方のスピードはどうだろうか、間の取り方はどうだろうか、歯切れよく話しているだろうか、しゃべりすぎてはいないだろうか……。様々な気づきがあると思います。自分らしい自分だけの授業技術を磨いていくのです。このように、自分で授業力を高める方法はいくつもあります。

独りよがりの授業なのではと心配になることもあると思います。そこで、ある先生が行っていた取組を紹介します。「先生の通信簿をつけて」と、生徒に用紙を配るのです。そこには、授業者が気になっているいくつもの項目が書かれてあり、それぞれの項目に生徒が意見を書くようになっていました。教師が自己満足するだけの授業にならないようにするために、効果的な取組だと思います。

また、教科指導は、成績を上げるためだけにあるのではありません。生徒がその教科を好きになることが大切です。私が教員時代、数学のテストを返した時、ある生徒がテストを持ってきて私にこう言ったのです。「先生、私、今回のテストはできなかったけど、数学は好きだからね」と。テストの点数が全てではないのです。

仲間を見つける

誰に相談をしたらよいのかとも悩んでおられますが、学校でなくても、経験年数が近い先生と話をしてみてはどうでしょう。同じく教師をしている学生時代の友人がいれば声をかけたり、SNSやセミナー参加を通して同志を見つけたりすることもできると思います。同じ悩みがあることに気づき、安心し、刺激し合えるはずです。もしかしたらそこから「一緒に勉強会をしよう」ということになるかもしれません。

自分磨きをする

週休二日制を提唱した実業家の松下幸之助さんは、こう話されています。「教養がなければいい仕事はできない。しかし普段は忙しく、時間が取れない。だから、1日は休養、そしてもう1日は教養の時間にせよ」と。

生徒を指導する時は、その先生の人間味が出るものです。先生の人間味が、思春期の生徒には大きな影響を与えます。そのためにも、休日は休養を取ることに加え、自己研鑽に充てることをおすすめします。教科主任の言うとおりに土日も仕事だけをしているのでは、自身の魅力は高まりません。

ぜひ、土日を使って、本を読んだり、自然の中で過ごしたり、スポーツをしたりなどと、人間味を磨く活動を行ってください。それがなな先生の成長となり、生徒へよい影響を与えるはずです。

充実した姿を見せる

経験を重ねれば、授業に関しても学級経営に関しても、自然といろいろなことが身についてきます。きっと教科主任の先生は、授業に自信がもてずにいる様子のなな先生に、自分の成功体験をもとにした話をされているのだと思います。土日も惜しんで授業づくりをして成長してきたという自負もあり、なな先生にアドバイスをしているのかもしれません。

教科主任からの評価を気にして、びくびくしながら授業をしている頼りない様子のままでは、何も変わらないでしょう。授業の在り方を再認識したなな先生が、生徒のためを思いながらいきいきと仕事をしている姿を見せることができれば、教科主任の指導の仕方も変わってくるかもしれません。

なな先生が、プライべートも充実しながら無理なく自分磨きをしているうちに、いつの間にか、教師という仕事の楽しさを感じられるようになったら嬉しく思います。陰ながら応援しています。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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