【2023年版】5年生の「心と体」データ集
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身体的にも精神的にも成長が著しい、思春期初期の5年生。2023年度の新5年生をよりよく理解するための最新資料を集めました。記事内容を1枚のプリントとしてダウンロードできます。保護者会などでの配付資料にご活用ください。
目次
身長・体重
令和3年度の文部科学省「学校保健統計調査」によると、身長の平均値は平成6年度から13年度あたりをピークに、その後は横ばい傾向にあります。体重の平均値は平成18年度あたりからほぼ横ばいとなっています。
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視力・むし歯
健康についてはどうでしょうか? 視力についての調査によると、裸眼視力1.0未満の子供の割合は年齢が上がるにつれておおむね高くなる傾向にあり、5年生では45%を超えています。
むし歯(う歯)の項目では約4割とこちらも高くなっています。永久歯に生え変わるこの時期の歯磨き習慣は、将来のためにもとても重要です。
■視力 1.0未満
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■むし歯(う歯)
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体力・運動能力
体力については、令和元年度調査から連続して男女ともに低下しています。要因として、①1週間の総運動時間が420分以上の児童生徒の割合は、増加しているものの以前の水準には至っていないこと、②肥満である児童生徒の増加、③朝食欠食、睡眠不足、スクリーンタイム増加(テレビ、スマートフォン、ゲーム機等による映像の視聴時間)などの生活習慣の変化が挙げられます。そのほか、新型コロナウイルス感染症の影響によりマスク着用中の激しい運動の自粛なども考えられます。
■[男子]体力合計点
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■[女子]体力合計点
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■50m走
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■20mシャトルラン
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■上体起こし
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■長座体前屈
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■立ち幅跳び
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■握力
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■ソフトボール投げ
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スクリーンタイムの状況
学習以外のスクリーンタイム(平日1日当たりのテレビ、スマートフォン、ゲーム機等による映像の視聴時間)は、男女とも視聴時間が5時間以上の項目で増加が見られます。スクリーンタイムの長時間化は体力や視力の低下に影響するため、時間を決めて使用するなど、注意と対策が必要です。
■5年生男子
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■5年生女子
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起床時間・睡眠時間
学研教育総合研究所が2022年9月に発表した「小学生白書Web版」小学生の日常生活・学習に関する調査によると、5年生の平均起床時間は6時36分であり、この起床時間は学年が上がってもほとんど変化がありません。一方就寝時間に関しての平均は21時54分で、学年が上がるにつれて遅くなる傾向も例年通りとなります。特に深夜(22時00分以降)に就寝する児童の割合は5年生で43.0%と、4割超えとなっています。これは塾や習い事など、高学年になると放課後の活動が変わることや、通信機器の使用率が上がることが関係しているかもしれません。
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読書量
子供たちはどのくらい読書をしているでしょうか? 5年生男子の1か月の読書量は平均して2.5冊、女子は2.7冊という結果に。全く読まないという子供も、男子では37%、女子では25%に上ります。学年が上がるにつれて読書量が減っていくのは習い事や塾、部活動の時間との関連がありそうです。
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家庭での性教育
必要性は分かっていても、いつから、何をすればよいのか悩んでしまうことの多い性教育。体が大きく変化し大人に近付く5年生の子供たちの家庭での性教育についての調査結果です。
■お子さまへの性教育、どうしていますか?
全体としては「すべきだと思うがまだ出来ていない」が最も多くなっており、過半数を占めています。次に多いのは、「少ししているが、きちんと出来ているかはわからない」です。35%のご家庭が「やってはいるけれど、これでいいのかな…?」という不安を感じている様子がうかがえます。親子の性別が違う場合にどう伝えるか難しいなどの声も聞かれますが、性教育は子供が自分自身の体のことを知るだけでなく、将来のパートナーとの関係にも関わってくる大切な教育。正しい情報をきちんと伝えていけるようにしたいですね。
自分が好きか
子供たちは、自分自身のことを好きか? という質問にどう答えているのでしょうか。 5年生が「好き」「どちらかというと好き」と答えた割合は95.0%となっています。「好き」だけで見ると、男子のほうが低い傾向があります。
全体でも男女別でも、学年が上がるにつれて、「好き」と回答している割合より「どちらかというと好き」と答えている割合が増えていて、それに伴い、「どちらかというと嫌い」「嫌い」と答える割合が増えているのが気になるところです。
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自分のことが好きかどうか、という問いは、子供たちの自己肯定感がどれぐらいあるかを知ることにもつながります。社会で生き抜く力や自己実現、その人自身が豊かな日々を送る資質の1つとしても知られる自己肯定感や自己有用感ですが、日本の子供・若者は他の先進国と比べ、これらが顕著に低いと分かっています。
人生の土台となっていく子供たちの大切な自己肯定感・自己有用感を高めるために、大人ができることは何かを考えていかねばなりません。
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文/ルル 構成/浅原孝子 イラスト/藤井昌子