小6 国語科「地域の施設を活用しよう」全時間の板書&指導アイデア

特集
1人1台端末時代の「教科指導のヒントとアイデア」

文部科学省教科調査官の監修のもと、小6国語科「地域の施設を活用しよう」(光村図書)の全時間の板書例、教師の発問、想定される子供の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

小六 国語科 教材名:地域の施設を活用しよう(光村図書・国語 六)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/山梨大学大学院准教授・茅野政徳
執筆/神奈川県川崎市立はるひ野小学校・田中真琴

1. 単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、学校図書館以外の施設を活用して、本と出合ったり情報を収集したりできるように、地域の身近な施設を調べる活動を行います。
インターネットで簡単に情報が集められる時代ですが、実際に見たり触ったりして情報に触れる経験の素晴らしさや面白さを感じるとともに、より正確な情報を得るための手段を身に付けられるとよいでしょう。

2. 単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

本単元では、これまでの経験を出し合ったり地域の施設を調べてみたりすることで、本との出合いを増やしたり、積極的に地域の施設を活用していこうとする態度を形成したりすることを目的としています。

子供たちが自分で行ける範囲に公共施設や公立図書館がほとんどないという地域もあるでしょう。
そのような場合には、「地域」の範囲を広げ、市内や県内、必要ならば県外に目を向けることも考えられます。遠足や校外学習で行ったことのある施設ならいくつか思いつくでしょう。まずは、どんな施設があったのか、みんなで思い出すのがよいでしょう。

本単元では、施設について1人1台端末を用いて調べる活動を設定しました。
6年生なので、4・5年生で行った自然教室や、これから修学旅行で出向く地域の施設を調べてみることも可能です。「地域」とは少しずれてしまうかもしれませんが、大切なのは、「行ってみたいな」「見てみたいな」と感じることです。

何かを調べるとき、詳しく知りたいと思ったときに、インターネットに頼るばかりではなく、今回調べてみたような施設に実際に行ってみるものいいな、自由研究で活用してみよう、と思えることがこの授業の大切なポイントの一つです。

また、9月頃の単元に「利用案内を読もう」という単元があります。この単元と組み合わせた授業も考えられるでしょう。その施設のホームページや利用案内のパンフレットをみんなで確認した後に本単元を設定し、その施設について一人一人がさらに詳しく調べるという活動も有効です。

4. 指導のアイデア

〈主体的な学び〉 一人一人がじっくり資料に向き合える

一人一台端末のおかげで、各資料の配付やインターネットへのアクセスが容易になりました。
先述した「利用案内を読もう」でも学習するように、利用する人によって必要な情報、興味をもつ情報は異なります。
案内のパンフレットやホームページのどこに注目するか、子供によって違うからこそ、地域の施設を調べる際にはしっかり時間を確保すると同時に、調べた後の共有の時間も大切にしたいところです。

人数分のパンフレットを用意できなくても、端末の機能を用いて配布でき、子供一人一人が十分に資料と向き合えます。画面の拡大が自由にできることも端末の利点です。
主体的な学びとは、「学ぶことに興味や関心を持つ」こととされています。
また、「見通しを持って粘り強く取り組む」ことでもあります。本単元を通して、様々な施設に興味や関心をもち、施設について知りたいことを、見通しをもって調べる姿を期待しています。

5. 1人1台端末活用の位置付けと指導のポイント

上記のように、本単元は端末を有効に利用できる単元です。
子供一人一人が端末を利用し、情報に向き合う時間の確保を十分に行いたいものです。
しかし、一人一人の調査で終わってはもったいない。どんな施設のどんなことに興味をもち、どんなことがわかったのか、共有し合うことで、同じ資料を見たとしても興味・関心が異なると、得る情報も必然的に異なることに気付くきっかけとなるでしょう。

特に、ホームページには多くの情報が載っています。知りたい情報にうまくたどり着けない子供がいるかもしれません。「え、どこにあったの?」という疑問が生まれたときには、教師の端末を利用して大画面に映し出すことで全体共有を図ったり、全員が同じサイトにアクセスし、どのタブからその情報を得たのか確認したりすることもできます。

実生活でも様々なホームページを見る機会があるでしょう。この単元を通して、ホームページから目的の情報にたどり着く方法を全体で理解することもできますね。

6. 単元の展開(1時間扱い)

 単元名: 地域の施設を活用しよう

【主な学習活動】
1時
地域の施設を調べる活動を通して、自分たちの身近にある施設を知るとともに、どんなときに利用するとよいか考える。

全時間の板書例と指導アイデア

【1時間目の板書例 】

イラスト/横井智美

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