小5らくらくUnit 1「Hello, friends.」③【モトヨシ先生のスライドde外国語】
2024年度教科書改訂に対応した記事もあります。
小5らくらくUnit 1「Hello, friends!」①【モトヨシ先生のNEWスライドde外国語】(4/5公開予定)
パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 5 Unit 1「Hello, friends. ~自分の好きなもの・ことを伝えよう~」第3時(好きな色やスポーツ、食べ物をたずねる英語の表現になれよう)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語の授業をらくらくクオリティアップ!
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学5年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 5」のUnit 1「Hello, friends. ~自分の好きなもの・ことを伝えよう~」全8時の3時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
○単元のゴール
自分の名前や好きなものを書いて名刺を作り、友達とやり取りをして名刺交換しよう。
○本時の目標
名前や好きなもの、誕生日についての英語を聞いて、だいたいの内容を理解しよう。
【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・I’m ~. My name is ~. What ~ do you like? およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
・名前や好きなもの・ことなどについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・相手のことをよく知るために、名前や好きなもの・ことなどについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
・相手のことをよく知るために、名前や好きなもの・ことなどについて、短い話の概要を捉えようとしている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本在住の外国出身の人について、短い話の概要を捉えようとしている。
【読むこと】
●知識
アルファベットの活字体の大文字について、理解している。
●技能
アルファベットの活字体の大文字を識別したり、その名前を発音したりする技能を身に付けている。
【話すこと】
●知識・技能
〈知識〉
I’m ~. My name is ~. What ~ do you like? およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
I’m ~. My name is ~. What ~ do you like? およびその関連語句などを用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、名前や好きなもの・ことなどについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、名前や好きなもの・ことなどについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、自分の名前について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。
【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉
アルファベットの活字体の大文字について、理解している。
〈技能〉
アルファベットの活字体の大文字を書く技能を身に付けている。
○言語材料
(表現)I’m ~. I’m from ~. I like ~. My birthday is ~. など
(語彙)アルファベット、国(America など)、動物(bear など)、月(January など)、日付(first)など
○Do you have (a pen)? Yes, I do. / No, I don’t.
本時の流れ(例)
- 挨拶
- ウォームアップの活動(ゴースト・ゲーム)
- 単元のゴール、本時のめあての確認
- インフォメーション・ギャップ(前半)
- 中間指導
- インフォメーション・ギャップ(後半)
- ふり返り
- デジタル教科書 Sounds and Letters
各活動の流れ
①挨拶
元気に明るく挨拶をして、How are you? How’s the weather? など、3、4年生で学習した内容の質問をしてみましょう。
②ウォームアップの活動(ゴースト・ゲーム)
1時、2時でも行ったゴースト・ゲームを行いましょう。活動のしかたは、第1時のスライドで確認してください。
③単元のゴール、本時のめあての確認
④インフォメーション・ギャップ(前半)
インフォメーション・ギャップは、小学校でも中学校でもよく行われる活動なので、すでに行っている先生方も多いかと思います。
1.児童は、カード(ワークシート)の一番左の列の中から、どのキャラクターになりきるかを決める。そのキャラクターに赤で○をする。
2.ペアになった友達とじゃんけんをする。勝ったほうが1つだけ質問する。
例:What color do you like? と質問して、友達が I like blue. と答えたとします。その場合、友達は Mr. Simon、Baby Simon、Simon Dog のいずれかということになります。
3.友達が何のキャラクターになっているか、Are you ~? を使って質問する。
4.友達がなりきっているキャラクターを当てることができたら、カードを友達からもらう。
5.挨拶をして別れ、別の友達とペアになって2からを繰り返す。
6.カードをたくさん集めた児童の勝ち。
私が行う場合は、じゃんけんで勝った児童のみ質問することができ、質問は1つまでと制限しています。2、3問質問をすると、友達がどのキャラクターになっているかが分かってしまいます。ちょっとしたゲーム性も取り入れて行うことで、楽しみながら活動することができます。
実施する前にALTとデモンストレーションを行い、何度か見せると児童も理解できるでしょう。パワーポイントでも説明できるように作成してあるので、活用してみてください。なお、カードがなくなった場合は、教師やALTからもらうように指示しましょう。
⑤中間指導
中間指導では、上手に行っている児童同士や、ALTと児童で行ってみましょう。挙手をしてボランティアを募る場合は、実際に当てることができたら、教師の持っているカードを1枚与えるとよいでしょう。たくさんの児童が「やりたい!」と手を挙げてくれると思います。
また、この活動を行うと、単語のみで答える児童が必ず出てきます。あえてよくないデモンストレーションを見せ、児童に何がよくないのか発表させることもできます。その動画もスライドに入れてあるので、参考にしてみてください。同じようにALTとデモンストレーションして、よい例との違いを気付かせる機会にしましょう。
後半の活動に進む前に、ここで児童に I like dog. と I like dogs. の違いに気付かせるように指導してみましょう。ほとんどの児童は I like cat. や I like dog. と発話しています。そうすると「私は犬の肉を食べることが好きだ」という意味になってしまいます。児童の「気付き」を大切にしたい場面でも、説明的になりすぎないことが重要です。スライドで視覚情報を与えながら、ALTと協力して英語で指導することも可能です。
では、実際どのように指導していくかご紹介します。ALTに I like kangaroo. と I like kangaroos. でリアクションをとってもらいます。
この段階では、児童は「え? なんで?」というような表情をしています。教師が2、3回同じように英文を言って、ALTがリアクションを繰り返しましょう。そうすると「ズって言っているよ」と気付く児童が出てきます。しかし、反応している児童がいるからといって、意味を理解しているわけではありません。そこで次は、意味理解を促す指導をパワーポイントのスライドを使って行います。見せるスライドはこちらになります。
このスライドを見せながら教師は I like kangaroos. と I like kangaroo. の英文を言うだけです。それだけで児童は意味を捉えます。日本語で「sが付くとね」などと説明する必要はありません。では、意味理解ができたか確かめるために、犬を例にしたスライドを表示します。
I like dogs. Dogs are very cute. I like dogs very much.
と言いながら、スライドをクリックしていきます。このとき、まず英文が先に表示され、次のクリックで絵が出るようにしています。このように、英文と絵は同時には提示しません。基本原則は、音声→文字→絵とするとよいでしょう。絵と英文を同時に見せてしまうと、絵から意味を捉えてしまうからです。音から入るというステップの積み重ねが大切です。授業では、意識して行っていきましょう。
I like dog. のスライドを見せます。犬のイラストがない状態です。
そしてクリック!
教師が I like dog. と言いながらこのスライドを見せると、多くの児童が「えー」「だめでしょ」などと反応します。意味を理解したときの反応です。このやり方で十分に児童は理解します。使う表現は I like dog. と I like dogs. そしてスライドとALTの演技で、日本語での説明的にならずに、簡単に意味を捉えさせることができます。ぜひチャレンジしてみてください。
⑥インフォメーション・ギャップ(後半)
後半の活動では、教師は児童の活動を見取ります。
この授業で言えば、児童が中間指導で気付いたことをアウトプットできているかをチェックしてみましょう。前半の活動と後半の活動で、児童の姿がどのように変容したか、もしくはしなかったか。児童の姿を見て、自己の指導をふり返る機会とすることができます。多くの児童に変容が見られれば、中間指導の効果があったと自分自身を称賛し、1つの成功例としましょう。逆に変容があまりなかった場合は、自己の指導方法の何がよくなかったのかをふり返ればよいのです。そのような真摯な取組の積み重ねで、授業の指導技術は必ず向上していきます。
⑦ふり返り
単元のゴールを設定したらCan-Doリストを作成してふり返りを行いましょう。本時の学習の感想を全体で共有しましょう。
⑧デジタル教科書 Sounds and Letters(P86)
Sounds and Letters のページのアルファベットを書く練習です。この活動は授業の終わりの5分程度で積み重ねて行っていくとよいでしょう。小学校の段階では、「書くこと」に関しては、高学年においても「慣れ親しむ」程度でよいのですが、アルファベットに関しては、書くことができるようにすることが求められています。
私は中学校で指導していた経験もあります。中学1年生の4月に大文字26文字、小文字26文字を覚えさせ、4月に52文字のテストを行うということをやっていました。今、ふり返っても、生徒への負担が大きかったと反省しています。5年生の段階で、1年間を通して少しずつ大文字・小文字を書く活動を行い、6年生で英語の音を学習して、中学校へうまく接続できるようにしていきましょう。
私の場合は、A~GのようにABCの歌の区切りで、少しずつ書く活動を行っていくようにします。そしてテストも行っていきます。ただしテストも26文字を一気に行うのではなく、少しずつです。第1回はA~Gの7文字のみです。児童への負担を考えると、年間を通じて少しずつコツコツと取り組ませていくことがよいと考えています。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。
パワーポイント(スライド)ダウンロード
5年Unit1-3パワーポイント(38スライド)、ワークシート(1点)
※ダウンロードデータのサンプルをご覧になりたい場合は、こちらの記事にある無料ダウンロードを参考にしてください。
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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美 アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子