小5体育「陸上運動(ハードル走)」指導アイデア
執 筆/広島県公立小学校教諭・濱田一旨
編集委員/国立教育政策研究所 教育課程調査官・高田彬成、広島県公立小学校校長・平岡弘資
目次
授業づくりのポイント
ハードル走は、リズミカルにハードルを走り越えて、記録に挑戦したり、相手と競走(争)したりする楽しさや喜びを味わうことができる運動です。
子供たちがリズミカルに走り越える心地よさを実感し、自己の記録に挑戦したり友達と競走したりする楽しさを味わうことができるような学習を展開する必要があります。
授業づくりのポイントは、3 つあります。
1 つ目は、リズミカルなハードリングをめざして、インターバルを選択できるようにし、記録の向上をめざせるようにすることです。単元を進めるにつれて、子供の技能が向上し、インターバルが広がっていく子供が多く見られる。そのため、単元途中でもインターバルを変更できるようにし、記録の向上をめざせるようにしましょう。
2 つ目は、個別の課題に応じた練習の場を設定することです。自己の課題に応じた練習ができるようにし、課題解決を通して自己の成長を感じられるようにしましょう。
3 つ目は、子供同士の関わり合いを大切にすることです。観察する視点を決めて互いの動きを見合うことを通して、自己だけでなく、グループの友達の成長に喜びを感じられるようにしたいものです。
単元計画の例(全7 時間)
やってみる
子供が自分に合ったインターバルを見付け、一定の高さのあるハードルを走り越え、最後までリズムよく走り抜くことが楽しめるようにしましょう。
本稿では、インターバルを選択できるようにしているため、リズムよく走るとは、インターバルを3歩のリズムで走り越えることとしています。 ハードル走につながる補助運動でリズミカルに走り越える感覚をつかみ、グループ練習で友達と互いの走りを見合いながら、自分の課題を見付けられるようにするとよいでしょう。
ハードル走につながる補助運動
ミニハードルや段ボールなどを走り越えて、リズミカルに走り越える感覚をつかもう。
リズミカルに走り越えるためのグループ練習の場の設定
自分の課題をもつために、友達とグループ練習を行いましょう。
友達の走り越え方をICT機器で撮影し、課題を見付けることもできるよ。
5 人グループの場合での役割分担
ふかめる
子供が自分の課題の解決に向けて、課題を明確にもてるよう練習の仕方や場や資料、発問等を工夫する必要があります。楽しさや喜びが増すように、ルールを工夫しながら、力の違った友達と競走したり、練習の仕方や場を工夫しながら、自分の記録に挑戦したりするとよいです。
踏み切りに課題
ハードルの板をゴムや新聞紙を折りたたんだものやスポンジ製のものに変えてみよう。
踏み切りと着地の足の位置に紅白玉を置くといいよ。
空中姿勢に課題
インターバルに課題
タイムの速い友達のハードルの跳び方から、上手になるためのポイントを探してみよう。
口伴奏に合わせて、リズムよく走ろう。
8秒間ハードル走
記録だけに注目するのではなく、友達の動きで成長しているところを見付けて、伝えよう。
授業のアイデア
子供が安全に活動するためには安全な器具の使い方を徹底しなければなりません。子供が全力を出して課題に取り組むためにも、安全を確保しましょう。
グループ学習の充実を図るためには教材・教具の工夫が必要不可欠です。観るポイントを分かりやすくして、子供同士の関わりが活発になるようにしましょう。
安全な器具の使い方
ハードルの運び方
ハードルを自分の体の側面に両手でしっかりと持ち、安全に気を配りながら運ぶ。
ハードルを越す方向
横の脚のない方向から越すと、足がぶつかった時などに、ハードルが倒れずに危険である。
教材・教具の工夫
イラスト/たなかあさこ
『小五教育技術』2018年10月号より