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「生きる力とは何か? 自分なりに考えよう」全校朝会【校長講話】文例集 #11

連載
全校朝会【校長講話】文例集

兵庫県公立小学校校長

俵原正仁
連載 全校朝会【校長講話】文例集 執筆/兵庫県公立小学校校長・俵原正仁

全校朝会での校長講話といえば、校長先生にとって腕の見せどころです。とはいえ、毎月、子供たちの知的好奇心を掻き立てたり、子供たちの心を整えたりする内容を考えるのは苦労するもの。そこで、本連載(月1回公開、全11回)では、学級経営や学校経営に関する多数の著書をもつ俵原正仁先生が、実際に使用したスピーチの全文を公開します。最終回となる3月の講話は「生きる力とは何か? 自分なりに考えよう」です。

執筆/兵庫県公立小学校校長・俵原正仁

3月のテーマはこう選ぼう

早いもので、本年度もいよいよ最後の月になりました。これまでの全校朝会を通じて、校長の思いをたくさん子供たちに伝えてきたことと思います。そこで、3月の全校朝会は、今までの話とリンクさせながら、進学・進級に向けて、最後に校長がどうしても子供たち伝えておきたいことについて話します。今回のキーワードは「幸せを感じ取る力」です。

3月の場合、1年間のまとめとして「1年間を振り返って子供たちのがんばりをほめる」というテーマもあります。ただ、私の場合、このテーマは、全校朝会ではなく1~5年生に向けて修了式で話します。

3月の講話「生きる力とは何か? 自分なりに考えよう」全文

校長先生が担任だったころ、3学期のこの時期になると、よく行っていた授業があります。幸せに生きていくためには、どのような力がいるのかを考える授業です。

みなさんは、「生きる力」って何だと思いますか?

頭の中に、何か答えが浮かびましたか(※1)。昔、校長先生のクラスで、ある子が発表した答えは、

「生きる力」とは、食べる力である。

というものでした。確かに、「食べる力」は大切です。しっかり食べる力があれば、健康になって、幸せに生きることができそうですよね。つまり、この答えは、大正解! でも、この問題の正解は1つではありません(※2)。他にもたくさん考えることができそうです。

校長先生のクラスでは、次のような答えも返ってきました。

生きる力とは、笑顔をつくり出す力

・「生きる力」とは、笑顔をつくり出す力である。
・「生きる力」とは、感情や夢のことである。
・「生きる力」とは、夢を信じる力である。
・「生きる力」とは、喜びがある気持ちである。
・「生きる力」とは、希望と助け合いと絆のことである。

みなさんも、自分なりの「生きる力」を考えることができればいいですね(※3)。ちなみに、校長先生の考えは次のようなものです。

「生きる力」とは、幸せを感じ取る力である。

世の中には、お金や地位があっても、つまらなそうな顔をしている人がいます。何不自由のない生活をしているのに、不平ばかり言っている人もいます。また、そのような人とは真逆の人もいます。他の人から見たら、つらそうな状況でも、いつもニコニコ上機嫌な人です。何が違うのでしょうか?(※4)それは、幸せを感じ取るアンテナの違いだと、校長先生は考えています。

幸せを感じ取る力が弱い人は、身の回りの小さな幸せに気付くことができず、足りないことや不満なことに目が行きます。周りに感謝するどころか文句ばかり言うことになります。そうなると、自分だけでなく周りの人も楽しくありませんよね。

それに比べて、幸せを感じ取る力が強い人は、身の回りの小さな幸せを見付けることができます。そして、そのことを感謝することができます。感謝することができるのですから、自然に周りの人たちにも優しくなります。当然、周りの人たちからも優しさのお返しが返ってきます。どんどん前向きな気持ちになっていきます。きっと幸せな人生を送ることができるはずです。

今まで校長先生が、全校朝会で話していた(※5)「ありがとう」を素直に言える人や、日常の当たり前に感謝できる人などは、幸せのアンテナの感度が高い人ということができます。

校長先生は、みなさんに幸せな人生を送ってほしいと思っています。ぜひ、自分の幸せを感じ取る力を磨いて、身の回りのことに感謝できる人になってください。

これで、校長先生の話を終わります。

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