全校遠足で、最高学年の自覚と思いやりを育てよう!

秋の遠足を異年齢グループで行う小学校は少なくありません。1年生から6年生の子どもたちで「たてわり班」をつくり、校外に出かけ、ウォークラリーをします。どのような準備や指導が必要になってくるのでしょうか。「大阪市・鶴見緑地ウォークラリー」の実践例を紹介します。

全校遠足イメージ
撮影/大庭正美

全校遠足のねらい

どのようなねらいで、計画すればよいでしょうか?

異学年のグループで行くので、違う年齢の友達とのふれあいが深まり、友情や絆を結ぶことができるような活動にすることが一番大切ですね。次に、鶴見緑地に出かけるので、秋の自然に親しむ活動も考えましょう。また、校外に出る活動なので、道路の歩行や乗り物・公共施設の利用などの公衆道徳についての態度を養うことも、ねらうとよいでしょう。
では、当日の活動について、具体的な活動計画を立てていきましょう。

教師側の準備

当日の活動そのものは、六年生のリーダーシップによる子どもたちの自主的な活動であることが望まれますが、校外での活動なので、安全に関する次のような配慮は教師側の重要な仕事です。

●教師の役割
①ラリーの道筋の安全は確保されているか。
②チェックポイントは、わかりやすい場所を設定しているか。
③ラリーのコース内を見回る教師の数は十分か。
④特別な支援を要する子どもへの配慮は十分か。

実施計画
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また、ウォークラリーのチェックポイントは教師が担当し、班で回ってくる子どもたちを迎えます。不安気に下学年の児童を連れて回ってくる6年生を称賛し、最後まで責任をもって班を引き連れるように励ましましょう。

6年生に指導したいこと

6年生は、たてわり班のリーダーとして、下の学年をまとめて、さまざまな活動を進めてきています。この全校遠足は、そのような活動の積み重ねの上に成り立ちます。学校の外に出て、地図を片手に、年下の子どもたちを連れて、広い公園の中のラリーポイントを探して歩く6年生の苦労は並大抵ではありません。しかし、事前の準備と指導を十分に行うことで、6年生の子どもたちに成功体験を味わわせることができます。それによって、6年生としての自覚と、人への思いやりを学ぶことができます。事前指導のポイントは次のような点です。

●事前指導のポイント
①鶴見緑地ウォークラリーの道筋とラリーポイントを明示した地図を作製し、下見で撮影した写真を見せながら、丁寧な事前説明をする。
②自分の班の下学年のメンバーの名前と顔をしっかり覚えさせ、班員確認の方法や並ばせ方を練習するなどして、校外で班活動をするときに迷子が出ないようにする。
③下学年の友達に指示を聞いてもらうためには、相手の気持ちを考えた言い方をする必要があることを、具体例を示しながら指導する。

鶴見緑地の地図
鶴見緑地の地図
ウォークチェック表
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上記のカードは、6年生がウォークラリーのときに持つカードの例です。班のメンバーやめあてだけでなく、ラリーのコース・各ポイントでのゲームや得点を記入できる欄、さらに活動後のふり返り表までが記載されています。このようなカードを持って活動することで、6年生は、班のリーダーとしての責任感をもち、役割をやり遂げることができます。全校の子どもたちのふれあいと絆を深める機会にもなります。

執筆/大阪府公立小学校教諭・秋山麗子 イラスト/北澤良枝

『小六教育技術』2017年8月号増刊より

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