小6算数「鶴亀算」指導アイデア
執筆/埼玉県公立小学校教諭・天野翔太
編集委員/国立教育政策研究所教育課程調査官・笠井健一、浦和大学教授・矢部一夫
目次
本時のねらいと評価規準
(本時の位置 7/10)
ねらい
鶴亀算の仕組みを考える。
評価規準
鶴と亀の数の変わり方と足の数の変わり方を、表を用いて関係に着目して考察し、鶴亀算の仕組みを説明することができる。(数学的な考え方)
問題場面
月夜の晩に、鶴と亀が集まりました。
頭の数を数えると、10個ありました。足の数を数えると、24 本ありました(ここは後程提示する)。
鶴は何羽、亀は何匹いましたか。
江戸時代に日本で発達した数学を「和算」と言います。これは有名な和算の問題です。鶴亀算と言うこともあります。
(条件不足の問題に対して)これだけだと、わかっていることがありません。
そうですね。(条件部分を提示して)鶴と亀の頭の数を数えると10 個、足の数は24 本です。
鶴の足は2本、亀の足は4本です。そして、頭はそれぞれ1個ずつということもわかります。
これだけで、わかるのかなあ。
本時の学習のねらい
鶴亀算は、どのように考えれば、答えを求められるのだろう。
見通し
まず、条件不足の問題場面を提示します。「これだけでは条件が足りない」と言う子供の発言から、頭の数と足の数の数値を示します。「これだけで答えが求められるのか」と言う子供の発言が予想される一方で、「鶴と亀の数を整理して調べられないか」と問い、表に整理して考えると、わかりやすくなりそうだと見通しを立てさせるようにします。
子供との対話の中で「半分が鶴だとすると、足の数は全部で何本ですか?」と問うことで、「鶴が5羽、亀が5匹だったら足の数の和は……」「鶴が6羽で亀が4匹だったら……」という数を仮定して考えるやり方を引き出し、表にまとめるなどして問題解決につなげていきます。
自力解決の様子
A つまずいている子
うまく鶴と亀の数を仮定できず、思いつきで数を挙げて、足の本数を求めている。
B 素朴に解いている子
鶴と亀の数を仮定して足の本数を整理した表から、亀が1匹増えると足の数が2本増えるというきまりに気付く。
C ねらい通りに解いている子
表から鶴と亀の数の変わり方と足の数の増え方のきまりを見いだすとともに、足の本数の差に着目した式にも表すことができる。
学び合いの計画
全体での学び合いでは、まず、答えを確認した後、鶴と亀の数を仮定して、足の本数を表に整理したやり方を説明させます。「表を見て、どんなことに気付きましたか」と問うことで、表を横に見て、鶴と亀の数の変わり方と足の数の増え方に着目し、きまりを見いだすことが期待できます。
イラスト/横井智美
『小六教育技術』2019年2/3月号より