小3算数「□を使った式」指導アイデア《問題の通りに式をつくる方法を考える》
執筆/富山県公立小学校教諭・神田将義
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、前・富山県公立小学校校長・中川愼一
目次
本時のねらい
■本時2/4時 たし算の場面を□を用いて式に表す学習の後
ひき算の場面について、分かっていない数量を□を用いて表し、言葉の式や図を拠り所にして、場面を表す式を立てることを考える。
評価規準
ひき算の場面について数量の関係に着目し、分かっていない数量を□を用いて表し、言葉の式や図などを拠り所にして、場面を表す式を立てることを考えている。(思考・判断・表現)
問題
クッキーが30まいありました。弟がなんまいか食べたそうです。
のこりは13まいになりました。
弟の食べたまい数を□まいとして、問題の通りに式を立てましょう。
問題の通りに式を立ててみましょう。どんな式になりそうですか。
前の学習のときと同じように、たし算で表すことができそうです。
「のこり」と文章にあるから、問題の通りに式を立てるとひき算になるのではないかな。
言葉を見ていくと、式にできそうだね。
前の時間(たし算の場面)のように、図や言葉の式で表すと、どんな式になるかがはっきりするかもしれないね。
学習のねらい
問題の通りに式をつくる方法を考えよう。
見通し
・「のこり」という言葉があるから式はひき算になりそうだ。[結果の見通し]
・図や言葉の式で表すと正しく式をつくることができそうだ。 [方法の見通し]
自力解決の様子
A つまずいている子
30+□=13
問題の場面がひき算であることを捉えられていない。
B 素朴に解いている子
30-13=□
答えを求める式を書いている。
□+13=30
たし算で捉えた数量の関係をそのまま書いている。
C ねらい通り解いている子
30-□=13
図や言葉の式を基に立式し、説明している。
学び合いの計画
この学習では、図や言葉の式を考えの拠り所として、問題の場面や構造を捉えた式の立て方について考えていくことを大切にします。
子供たちは、前の時間に、たし算の場面で図や言葉の式を基に立式したり、□に当てはまる数の大きさを考えたりしています。そのような経験や既習事項を生かせるように、導入では方法の見通しをしっかりともたせることが大事です。
学び合いの場では、言葉や図、式を関連付けながら、立式した根拠について子供たちが話し合えるようにしましょう。
学び合いのなかで、「どうして問題の通りに立式すると30-□=13 になるのか」や「図に表すとたし算でも表すことができるけれど、それでもよいのだろうか」などについて、子供たちは一生懸命に議論し合うことでしょう。
子供たちが議論し合うことを通して学びが深まるように、言葉や図、式を関連付けながら説明するように働きかけましょう。

ノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
「のこり」という言葉があるからひき算だと思います。だから、30-□=13 という式を考えました。
なぜ、30-13=□ではなく、30-□=13 という式にしたのですか。
問題の文章の順番に合わせたからです。
式の順番が分かるように説明するためには、どうしたらよいですか。
図を使って考えたら分かりやすいです。図を見ると、全部の数から弟が食べた枚数を引くと残りの枚数になることが分かります。
図を基にして、問題文の順番どおりに言葉の式を考えると、全部の枚数から弟の食べた枚数を引くと、残りの枚数になることが分かるね。
その言葉の式に数を当てはめていけば、式が立てられるね。図だけで考えるよりは分かりやすいと思うよ。
図を違った見方で見ると、たし算の式でも表せそうだよ。
本当だ。□+13=30 と表すことができるね。ただ、問題文の順番通りの式にはならないよ。
いろいろな見方ができるので、図に表すことは大事だね。
学習のまとめ
評価問題
20こ入りのあめがあります。そのうち、なんこかを食べました。すると、のこりは13こになりました。
食べたあめの数を□ことして、問題の通りに式をつくりましょう。
解答

本時の評価規準を達成した子供の具体の姿
図や言葉の式を使って正しく立式し、説明している。
感想例
・問題を式に表すときは、図や言葉の式などを使って考えることが大切だと思いました。
・分からない数を□として見る見方ができれば、うまくできそうだと思いました。
・ほかの問題でも、□をうまく使って式に表してみたいです。
・ひき算の問題を図に表したら、たし算の見方もできたので、びっくりしました。
イラスト/小沢ヨマ、横井智美
『教育技術 小三小四』2022年2/3月号より