小2算数「分けた大きさのあらわし方を考えよう」指導アイデア《3つに分けた1つ分のあらわし方を考える》

執筆/神奈川県公立小学校教諭・能登谷亮
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、島根県立大学教授・齊藤一弥

本時のねらいと評価規準(本時4/5時)

ねらい

[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH] や [MATH]\(\frac{1}{4}\)[/MATH] について考えたことを基にして、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH] の意味について捉えることができる。

評価規準

2つの数量の関係に着目し、それらの大きさを倍や分数を使って表し、説明しようとしている。

もんだい
同じ大きさに3つに分けた1つ分のあらわし方を考えよう。

12個入りのチョコレートを同じ数ずつに分けると?

12個のチョコレートの [MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH] は、何個かな。

半分なので、6個になります。

[MATH]\(\frac{1}{4}\)[/MATH] だと、どうなりますか。

同じ数に分けるから、3個だ。

ほかの分け方もあるよ。

3つにも分けられるけど……。

3つに分けると、4個ずつになるね。

同じ大きさに2つに分けたら [MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]、4つに分けたら、[MATH]\(\frac{1}{4}\)[/MATH] だったから……。

3つに分けた1つ分だから、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH] といっていいのかな。

[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH] や [MATH]\(\frac{1}{4}\)[/MATH] と同じように考えてよいのかな。

学習のねらい

「3分の1」とあらわしてよいわけを考えよう。

見通し

同じ大きさに分けることができれば、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH] と言えるはず。

3つに分けたものを集めて、元の大きさに戻ればいいんじゃないかな。

自力解決の様子

A つまずいている子

チョコレートを4個ずつに分けることができない。


B 素朴に解いている子

4個ずつ、3つのまとまりに分けて「3分の1」と捉えている。


C ねらい通りに解いている子

元の大きさの [MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH] である4個の3倍が12個になると考えている。

学び合いの計画

2つの数量の関係に着目し、分数や倍について考えられるようにしていくことが大切です。
12個のチョコレートの [MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]、[MATH]\(\frac{1}{4}\)[/MATH] をつくる活動から、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH] もつくることができるということに気付かせていきます。

12個の [MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH] は6個、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH] は4個、 [MATH]\(\frac{1}{4}\)[/MATH] は3個ですが、見方を変えると、12個は6個の2倍、4個の3倍、3個の4倍と見ることもできます。乗法や除法の見方の素地となるように指導していくことが重要です。

ノート例

全体発表とそれぞれの考えの関連付け

同じ大きさに分けることができているので、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH] と言えると思います。4個ずつに分けられたからです。

[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH] や [MATH]\(\frac{1}{4}\)[/MATH] と同じように考えれば、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH] と言えます。

どんなところが同じと言えるのかな。

倍にすると元の大きさになります。

4個の3倍が12個になるからです。

[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH] のときは6個の2倍で12個、[MATH]\(\frac{1}{4}\)[/MATH] のときは3個の4倍で12個になったので、同じように考えました。

[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH] や [MATH]\(\frac{1}{4}\)[/MATH] のように、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH] と表せるのですね。

2個ずつに分けたら、[MATH]\(\frac{1}{6}\)[/MATH] もできそうだよ。

[MATH]\(\frac{1}{5}\)[/MATH] とかもあるのかな。

評価問題

㋐の長さの [MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH] はどれですか。

子供に期待する解答の具体例

㋒の3倍の長さが㋐

本時の評価規準を達成した子供の具体の姿

数量の関係に着目し、倍や分数を使って表し、説明している。

感想例

  • [MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH]、[MATH]\(\frac{1}{4}\)[/MATH] などと同じように考えれば、もっといろいろな分数もありそうです。
  • 分数と倍は、逆になっているみたいで、面白いなと思いました。

イラスト/松島りつこ、横井智美

『教育技術 小一小二』2022年2/3月号より

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