小1算数「かたちづくり」指導アイデア《どのようにかたちをへんしんさせたかかんがえよう》
執筆/お茶の水女子大学附属小学校教諭・岡田紘子
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、東京都公立小学校校長・長谷豊
目次
本時のねらいと評価規準(本時2/4時)
ねらい
平行移動、回転移動、対称移動など図形の移動に着目し、形の変化や移動のしかたが分かる。
評価規準
ずらす、回す、裏返すなどの図形の移動の操作を理解し、どのように操作をしたか説明している。
もんだい
4まいの いろいたを つかって、「せみ」を つくりました。
1まいだけ いろいたを うごかして、かたちを へんしんさせましょう。
変身するときは、色板と色板が離れないようにしてね。

4枚の色板を使って、前の時間に「せみ」を作っていた人がいましたね。
私も作りました。
みんなも一緒に、机の上に色板を4枚出して、「せみ」を作ってみましょう(黒板に貼ったお手本と同じ色で作るよう指示する)。
この「せみ」を、先生が1枚だけ動かして、変身させます。動かすときは、色板と色板が離れないように、どこかがくっついたまま動かしますよ(布で動かしているところを隠す)。

あ、形が変わった。「しかく」になったよ。
先生は、あの色板を動かしたと思うな。
どうやって、「せみ」から「しかく」に変身させたのでしょう。
学習のねらい
どのように かたちを へんしんさせたか かんがえよう。
見通し
動かした色板は1枚です。どの色板を動かしたかな。
(色板を指さして)この色板だと思います。
そうそう。その色板を動かせば作れるね。
では、自分で作った「せみ」を1枚だけ動かして、「しかく」に変身させてみましょう。
変身のしかたもお話しできるかな。
自力解決の様子
自力解決の際には、動かし方を言葉で言いながら動かすように指示し、自分の考えを友達に伝えられるようにします。
A つまずいている子
色板をどこに動かしたらよいか分からない。
B 素朴に解いている子
どこに動かせばよいかは分かったが、どのように動かしたか言葉で説明できない。
C ねらい通りに解いている子
「スーッと動かす」「右にずらす」など、どのように動かしたか、説明できる。
ワークシート例

※ワークシートは、自力解決後の続きにも使えるように「しかく」の次のこともかけるようにしました。
学び合いの計画
「スーッと動かす」など、子供の表現を大切に扱いながら色板の動かし方を確認します。同様に、「しかく」から、次の形に動かしたときに、どの色板をどのように移動させたのか、子供の言葉でまとめていきます。
そして、動かした色板は、どこがほかの色板とくっついていたのか、色板を動かしながら確認していきます。
また、どのように動かしたか、まず言葉だけで説明させ、別の子供が色板を動かすことも想定できます。その際、友達の動かし方のよさを確認し、クラス全体で共有していくことが大切です。
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
どのように動かしましたか。言葉で教えてください。
スーッと動かしました。
右にずらしました。
お友達がどのように動かしたか伝わりましたか。では、色板を動かしてみましょう。
実際に黒板に貼られた色板を指名された子が動かします。
しかくになったね。
では、次に、「しかく」から、1枚動かして、また変身させましょう。
「しかく」から自由に1枚動かして、新しい形を机の上に作らせます。
僕は、「しかく」から「きんぎょ」を作りました。
子供が作った形を黒板に貼ります。

「きんぎょ」にするには、色板をどのように変身させたのかな。
(動かす色板を指さして)この色板を、クルっと回して動かせばできます。
どこが離れていなかったのかも、子供が動かしているときに確認します。
色板はほかの色板とくっついていたかな。
角と角がくっついていました。
私は「いえ」を作りました。
「いえ」はどうやって作ったのかな。
パタンってひっくり返して作りました。
作り方を聞いて、みんなも「いえ」が作れるかな。
屋根はひっくり返して違う色になったよ。

学習のまとめ
上記のやりとりを通して、子供から出された図形の移動の操作が学習のまとめ(例えば下記)になります。まとめる際には、子供から出された素直な言葉をまとめていくようにします。
まとめ
いろいたの うごかしかたは、「スーッと ずらす」「クルッと まわす」「パタンと ひっくりかえす」の 3つ ありました。
評価問題
「さんかく」を いろいた1まいだけ うごかして、かたちを へんしんさせました。どの いろいたを うごかしたでしょう。うごかした いろいたに いろを ぬりましょう。また、どのように うごかしたか、せつめいを かきましょう。
子供に期待する解答の具体例

イラスト/松島りつこ、横井智美
『教育技術 小一小二』2022年2/3月号より