年度末には自分のよさや成長に気付くふり返りを

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学級や学年としてのふり返りをする時期になりました。子供たち自身がこの1年間の成長を実感できるように、最後の2か月を大切にして指導しましょう。これまでのキャリア・パスポートを見つめ直し、今の自分のがんばりを年度末まで継続できるようにしましょう。そうすることが、一人一人がこの一年間で努力したことを実感し、自己肯定感を高めることにもつながっていきます。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・山本恭兵

自分で成長を自覚する

どんな子供も4月から見れば成長しています。ところが本人がそのことをあまり自覚していないことがあり、それが進級への不安につながってしまうことがあります。まずは子供が自分の成長に気付くことができるようにしましょう。

方法としては、4月からの変容が視覚的に分かりやすいものを活用するとよいでしょう。4月に書いた自己紹介カードやキャリア・パスポート、学年が始まった当初のことが想起されるようなものを見せ、「1年でこんなに変わったんだな」と自覚できるようにしましょう。

周りの人から聞く

自分だけでは自分の成長になかなか気付きにくい場合、周りの人から聞くことも有効です。

クラスの友達同士で、互いのよいところを見付け合うような活動をすると、自分では気付かなかったよいところを知ることができます。1年間一緒に活動をしてきているので、「○○集会のときに、〜してくれてうれしかった」のように、具体的なエピソードとともに伝えてもらうと、自分のよさを実感することができます。

また、ずっと見守っていてくれた保護者からコメントをもらうのもよいでしょう。前学年と比べて、どんなことができるようになったのか、どんなところが成長したかを聞くことで、子供は励まされ、自信を付けることができます。

「当たり前」はすごい

「成長」というと、中には何か特別なことができるようにならないといけないと考えている子供もいます。そんな子供たちに、「当たり前のことを続けることのすばらしさ」を伝えたいものです。

時間を守ることやきちんと課題に取り組むこと、計画通りに係活動を行うことなど、一見当たり前に感じることでも、続けることは意外と難しいものです。やるべきことにきちんと取り組み続けることを価値付けすることで、この学年での取組に自信をもち、安心して進級していくことができるでしょう。

見通しをもつことができるように

次年度のおおまかな見通しをもつことも、不安の解消に役立ちます。上級生にインタビューをして、次の学年が楽しみになるようなことを紹介してもらいます。「委員会活動って楽しそうだな」「社会ではこんなことを勉強するんだ」と、新学年に見通しをもち、1つでも楽しみが増えるようにしたいものです。

イラスト/山本郁子

『教育技術 小三小四』2022年2/3月号より

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