「学級お別れ集会」をしよう ~学級活動(1)~
いよいよ3月。4月に出会った仲間とも別れのときが近づいてきます。日々の生活やたくさんの学校行事を通して、子供たちも学級も大きな成長を遂げたことでしょう。そこで、1年間の学級の取組を振り返ったり、自分たちの成長や変化を自覚したりできるようにすることで、次の学年への期待や自信をもてるようにしましょう。
執筆/熊本県公立小学校教諭・一法師文明
目次
「学級お別れ集会」の準備をしましょう
「学級お別れ集会」のときだけ子供たちに時間を与えても、ただのレクリエーションの時間になってしまいます。素敵な「学級お別れ集会」や最高のエンディングになるように、学級の雰囲気をつくっておくことが大切です。そのためには、日ごろから子供たちが卒業(進級)を意識して生活できるようにしたり、学級や自分自身の成長に気付けるように声かけをしたりしましょう。
学級会「学級お別れ集会」をしよう
「学級お別れ集会」で何をするのか、どのような係が必要なのか、学級会で話し合いましょう。自分たちで考え、準備していくことで、子供たち自身が学級、友達、自分自身をふり返ることができ、素敵な「学級お別れ集会」を行うことにつながります。
①学級会の計画を立てる
②話し合う
「学級お別れ集会」で何をするかを話し合います。
《アイデア例》
①思い出を振り返る活動
みんなで頑張ったことや楽しかったことを共有でき、温かい雰囲気になります。
◆思い出かるた
50音をみんなで割り振り、担当した文字の絵札と読み札をつくります。
◆思い出さいころトーク
さいころの面の文例
「頑張ったこと」「楽しかったこと」「学級のいいところ」「1年間の思い出」「みんなにありがとう」「楽しかった授業」「うれしかったこと」など
◆思い出すごろく
各自がひとつの思い出を書き、それをすごろくのマスにすることで、みんなで思い出を共有できます。
②【みんなが楽しいと思う活動】
今一番したいことや、休み時間やこれまでのお楽しみ会で行ったことをやり、最後の学級の思い出をつくりましょう。
③役割分担
自分たちの手で素敵な会にできるように役割分担をしましょう。
「学級お別れ集会」で行うことは、特別なことである必要はありません。「みんなで力を合わせたら何でもできる」という経験と自信を持たせるためにも、計画から実践まで子供たちにできる限り任せましょう。
「先生からの話」で思い出深い集会に!
「学級お別れ集会」では、先生からの話の時間を少し多めにとり、サプライズの演出をすることで、子供たちにとってより思い出に残る時間にパワーアップさせましょう。
〈例1〉学級の成長をスライドショーでふり返る
学級開きで撮った写真、運動会など学校行事の写真、何気ない日常の写真を使ってスライドショーにまとめます。
学級のみんなで協力し、さまざまなことに取り組んできたことをふり返りながら、友達や自分の成長、学級の絆が強くなっていった過程に気付くことができるでしょう。
〈例2〉一人一人に言葉のプレゼント
キャリア・パスポートには、1年間の学び、ふり返り、将来への見通しなどが、子供たち自身の言葉で記録されています。キャリア・パスポートの先生からのコメント欄に、子供たちの成長や期待するメッセージを記入し、子供たちに渡しましょう。
子供たちは、キャリア・パスポートでこれまでをふり返り、また、先生のコメントの意味を考えることで、次の学年への意欲や期待をもつことができます。
卒業時に「このクラスは最高だった」と子供たちに思ってもらえることは、担任としてとてもうれしいことです。そのため、思い出をふり返ることばかりに目を向けると「学級お別れ集会」が、別れを惜しむ会になってしまいます。
子供たちが成長してきた軌跡をふり返り、次の学年や学級を自分たちでより良いものにしていこうという意欲と自信を引き出す集会にすることが大切です。
イラスト/高橋正輝
『教育技術 小五小六』2022年2/3月号より