小3国語「これがわたしのお気に入り」指導アイデア

教材名:「これがわたしのお気に入り」(光村図書三年下)

指導事項:〔知識及び技能〕(1)オ 〔思考力、判断力、表現力等〕B(1)ウ・オ
言語活動:ア

執筆/東京都公立小学校指導教諭・髙桑美幸
編集委員/文部科学省教科調査官・大塚健太郎、東京都公立小学校校長・加賀田真理

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

自分が今年度作成したなかで一番がんばりを伝えたい作品について、文章構成や書き方に気を付けながら文章を書く力を育成することをめざします。特に選んだ作品の特長や紹介したい理由について、関係を明確にして書くことを重点的に指導します。

また、書き上がった文章に対して感想や意見を伝え合うことで、友達や自分の文章のよいところを見付けることにも取り組みます。

今年度最後の書くことの単元であるため、これまで積み重ねてきた書くことの力をふり返り、それらを十分に駆使して活用するほか、さらにもう一歩詳しく書く力を向上させることを意識し、互いの「文章の書き方のよさ」を確認することで、書く力の定着と、これからもその力を活用していこうとする意欲を養います。

② 言語活動とその特徴

本単元では、自分が今年度作成したなかで、一番がんばりを伝えたい作品について文章で紹介し、互いに読み合うことを通して、自分の書き方のよいところについてまとめるという言語活動を設定します。その際に、テレビ画面の高画質を表す「8K(ハチケー)」の言葉を使って、〝8K文章〟という呼び方で、この単元でめざしたい「より詳しく、分かりやすい文章」についてのイメージを子供と共有します。

また「〝8K文章〟のてんらん会」という終末の活動の名称の工夫は、「作品」や「エピソード」だけではなく、「よい書き方」を意識して書くことや読み合うことにつながります。

これまで以上に細やかに詳しく書くことが、自分の文章の「解像度を上げる」こととなり、8Kの画面のように正確で、分かりやすく伝わる書き方をしたいという意欲が主体的な活動を引き出します。保護者など、様々な人から感想や意見を求めることができると、自分の文章のよさを多面的に捉えることにもつながります。自分の文章のよさの自覚を次の学習につなげていきます。

単元の展開(7時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

◎学習の見通しをもち、学習計画を立てる。
・今年度、自分ががんばって作った作品についてふり返り、そのうちの1つを選んで記録に残し、紹介しようとする意欲をもつ。
・より詳しく、細かく書いて伝える文章を解像度の高いテレビの画像にたとえて、〝8K文章〟と呼び、そのような文章をめざすことを意識する。
・「〝8K文章〟のてんらん会」を開催するという終末の活動を見通したうえで、学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び

【学習課題】よい作品を、よい文章でのこそう ~8K文章へのちょうせん!~

第二次(2~5時)

◎これまでに学んだ力を生かし、〝8K文章〟をめざして自分の選んだ作品を紹介する文章を書く。
・今年度、自分が作成した作品のなかでがんばりを一番伝えたい作品を選び、作品についての情報をメモに書き出す。

<手立て>
※作成当時を思い出すための日記などの活用。
※作品の実物をもってくる。など

・メモを活用して、112ページの「しょうかいする文章のれい」を参考にしながら、「題名」「えらんだ作品」「作品のせつめい」「しょうかいしたい理由」などについて文章の組み立てを整理する。
・「例の順序」「写真や絵の示し方」などの工夫について考える。
・色、形、大きさ、重さ、分量、数、時間などの観点を活用して、より詳しく、細かく伝わるように書くことを意識し、紹介する文章を完成させる。
→アイデア2 深い学び

第三次(6・7時)

◎各自の紹介する文章を読み合い、感想を伝え合うことで、自分や友達の文章のよいところについて考えを深める。
・「〝8K文章〟のてんらん会」を開催し、作品を紹介する文章を互いに読み合う。
・文章のよいところを発見し、互いに感想を伝え合うことで共有する。
・「〝8K文章〟(よい文章)の書き方」について、学んだこと、考えたことについて、自分の考えをまとめる。
→アイデア3 対話的な学び

アイデア1 単元の終末の活動像を意識することで、よい書き方を意識した主体的な学習への意欲を引き出す

主体的な学び

3年生の1年間をみんなでがんばってきた記念に、今年度作成した作品のなかで自分のがんばりを一番伝えたい作品について記録に残そうと呼びかけることで、「書いてみたい」という意欲を引き出します。

「今しか書けない」「この仲間に伝えたい」という思いを喚起することで、子供の主体的に取り組もうとする態度につなげていきます。

また、これまで学んできたことをふり返り、これまで学習してきた力を生かそうとすることと同時に、さらに詳細な伝え方ができる書く力を身に付けようとする意欲を高めるため、テレビ画面の高い解像度が話題となっている「8K(ハチケー)」という言葉にちなんで、より詳しく伝わるよい文章を〝8K文章〟と名付け、〝8K文章〟をめざすことに取り組みます。

「よい作品を、よい文章で」記録に残すという学習課題を共有することで、主体的な活動を活性化させ、よい書き方への意識を高めます。

アイデア2 〝8K文章〟の書き方を意識して、自分の選んだ作品についての説明が、より詳しく伝わるように工夫して書く

深い学び

作品選びは、図工作品に範囲を限定することも考えられますが、よい書き方について三次で共有する際に、より多様な文章に触れさせるためには、書き初め、物語、図工作品など、作品のジャンルを限定しないほうが、文章の描写の着眼点や表現対話的な学びが多彩になります。

また、年度当初の「つづけてみよう 日記を書こう」の学習を、年間を通して継続して行っている場合には、作品を選ぶことや、作成の苦労話などを思い出すときの参考にすることができます。

〝8K文章〟(よい文章)の要素としての「より詳しい書き方」を「解像度」「高画質」などの言葉にたとえて、子供との共有を図ります。書く対象に選ばれた作品の出来不出来や、作成にまつわる感動的なエピソードだけでなく、それを紹介する文章の「解像度を上げる」「より高画質をめざす」などの言葉がけが、「文章の書き方そのもの」を向上させる意識につながっていきます。

これまで学習してきたことについては、書くことの単元ごとに最後に示されている【たいせつ】や、上・下巻の巻末にある【「たいせつ」のまとめ】などを参考に、力を活用することを促します。

そのうえで、どのようなことに気を付けると、〝8K文章〟に近付いていくのかを子供の考えを引き出しながら、学級全体で確認し、共有して活動を進めます。新たな工夫や発見があった場合には、適宜全体で確認して、よい文章の評価の観点を更新していきます。

「黄色」「レモン色」のほかに、「金糸雀(かなりあ)色」という言い方もあるんだね。

形は「だいたん」、色ぬりは「せんさい」という言葉を使えば、様子が伝わるかな?

アイデア3 互いの文章を読み合い、評価や感想を共有することで、「よい文章の書き方」についての考えをまとめる

対話的な学び

「〝8K文章〟のてんらん会」を開催し、互いに読み合い、それぞれの文章の書き方のよいところを伝え合うことで共有します。「〝8K文章〟のてんらん会」などのように名称を工夫することで、「よい文章の書き方」への意識を高めます。

文章作成の学習過程のそれぞれの段階でのメモも、イメージの広げ方や情報の精査のしかたなど、文書作成の過程がよく分かり、「よい書き方の工夫」が隠されている場合があるので、〝8K文章〟とともに展示すると参考になります。

条件が許せば、異学年や保護者、地域の方々、校内の教職員などを招待して、〝8K文章〟についての感想をもらうことなども有効です。

その際には、「選んだ作品」「エピソード」に対する感想だけではなく、「書き方」に関する感想を確実にもらうことができるよう、〝8K文章〟(書き方)への感想を別の枠に設定するなど、感想カードへの配慮や工夫があると実施の効果が高まります。

このような活動は「保護者との評価の共有」にもつながります。最後には、もらった感想や評価の言葉などから、友達の文章で見付けたよさとともに、自分の文章のよさについて感想をまとめます。3年生で身に付けた書く力の自覚や、これからも力を活用していこうとする意欲につなげていきます。

イラスト/横井智美

『教育技術 小三小四』2021年12/1月号より

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