小1算数「かたちづくり」指導アイデア
執筆/福岡県公立小学校教諭・小野祐揮
編集委員/国立教育政策研究所教育課程調査官・笠井健一、福岡教育大学教授・清水紀宏

目次
本時のねらいと評価規準
(本時の位置 3/4)
本時のねらい
ものの形に着目し、数え棒で形を構成する活動を通して、いろいろな形を作るとともに、形を作ることに関心をもつ。
評価規準
数え棒を使って、いろいろな形を作ることができる。(技能)
問題場面
かぞえぼうをつかって、かたちをつくりましょう。

これは、どんな形でしょうか(色板で作った形)。
ロケットだ。
家みたいだ。
では、この形は?(数え棒で作った形)
これも家みたい。
2つの形を見て、違うところはどこですか。
左は色板で形ができているけれど、右は数え棒で形ができています。
形の大きさが違います。
今日は、数え棒で形を作ってみましょう。
本時の学習のねらい
かぞえぼうをつかって、いろいろなかたちをつくろう。
見通し
・数え棒をくっつける。
・数え棒を並べる。
・「さんかく」や「しかく」を作る。
数え棒で作った家の形には、どんな形が並んでいますか。
「さんかく」と「しかく」が、並んでいる。
数え棒で「さんかく」と「しかく」を作っていくと、いろいろな形が作れそうですね。
自力解決の様子
A:つまずいている子
形を構成することが、できない。
B:素朴に解いている子
提示された家の形などを、構成している。
C:ねらい通りに解いている子
形を多様に構成し、作った形を「さんかく」や「しかく」という観点から捉え、説明している。
自力解決と学び合いのポイント
A の子供に対しては、色板を使って作った形を思い出させ、数え棒で同じ形が作れないか投げかけましょう。それでも困っている場合は、途中まで教師が作り、続きを作らせましょう。
B の子供に対しては、別の形を作るよう促しましょう。
自力解決後は、自分が作った形を友達同士で説明させましょう。全体交流では、作った形の中にある「さんかく」や「しかく」などの基本図形に着目しながら、数え棒でも形を作ることができることを理解させましょう。
ノート例

※1 画用紙の棒で作った形を1つ、セロハンテープでノートに貼らせて、残しておく。
※2 ノートには全ての形を残せないので、他の形は「形の名前」と「どんな形で構成されているか」を言葉で残す。
どんな形を作りましたか。その形の中に、どんな形がかくれていますか。
私は、「花」を作りました。「さんかく」と「しかく」があります。
私は、「さかな」を作りました。「さんかく」だけでできました。
「さんかく」や「しかく」をつなげていけば、数え棒でも形が作れましたね。
本時のまとめ
「さんかく」と「しかく」をつなげると、数え棒でも、形を作ることができる。
評価問題
ぼうをつかって、「さんかく」と 「しかく」が、どちらもあるかたちをつくりましょう。
期待する解答例

問題文の条件を満たす形を、作っている。
子供の感想例
かぞえぼうでも、「さんかく」や「しかく」ができました。
かぞえぼうでも、いろいろなかたちができて、たのしかった。
ワンポイントアドバイス
福岡教育大学教授・清水紀宏
「かたちづくり」の学習では、色板を並べたり、数え棒をつないだりして形を構成する活動を通して、形の構成について理解したり、形に関する感覚を豊かにしたり、形に親しめるようにしたりします。本時で扱っている数え棒は、図形を「辺」で構成する学習具になっています。この点が色板とは大きく異なります。辺で囲まれた形を「さんかく」や「しかく」と言語化しながら、それらを形として認めていくことが大切です。
新学習指導要領では、第一学年に「数量や図形を見いだし、進んで関わる活動」として、「身の回りの事象を観察したり、具体物を操作したりして、数量や形を見いだす活動」が位置付けられています。色板や数え棒による形の構成という活動は、第二学年の学習の素地となる経験を提供しますが、それとともに、子供が形に「親しむこと」もぜひ大切にしていただきたいです。
イラスト/佐藤雅枝、横井智美
『小一教育技術』2019年2/3月号より