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「学力向上アクションプラン」とは?【知っておきたい教育用語】

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「確かな学力を向上するための施策」として文部科学省が掲げている学力向上アクションプラン。あらためて、その4つの項目と背景について解説します。

執筆/創価大学大学院教職研究科教授・渡辺秀貴

「学力向上アクションプラン」とは

「学力向上アクションプラン」とは、文部科学省が「生きる力」(確かな学力、豊かな人間性、健康・体力)のうち「確かな学力を向上するための施策」として平成15年度から実施されているものです。

このプランは4つの項目立てで進められました。

個に応じた指導の充実
習熟度別指導などのきめ細かな指導の充実
個性・能力の伸長
特定分野などにおいて卓越した人材を育成
学力の質の向上
学ぶことの楽しさを体験させ、学習意欲を高めるとともに、学びの質を向上させる
英語力・国語力の増進
英語によるコミュニケーション能力の飛躍的向上とその基礎となる国語力の推進

このプラン策定にあたっては、「教育課程編成・実施状況調査」や、国際教育到達度評価学会(IEA)の調査による「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)調査」と「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」などの結果が参照されました。これらの調査では、一部の教科・領域で必ずしも学習状況が十分でない状況や、知識・技能は一貫して上位であるものの理数への関心や読解力の向上、学ぶ意欲の向上に課題があることなどが指摘されています。

これからの時代に求められる学力と事業の推進

「学力向上アクションプラン」がスタートした時点では、「変化の激しい社会を生きる子どもたちには、『生きる力』と『確かな学力』を育むことが必要です」と2つの「力」が示されました。

「生きる力」とは、「変化の激しいこれからの社会を生きる子どもたちに身に付けさせたい『確かな学力』、『豊かな人間性』、『健康と体力』の3つの様子からなる力」と定義されています。また、「確かな学力」は、「知識や技能はもちろんのこと、これに加えて、学ぶ意欲や自分で課題を見付け、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決する資質や能力等まで含めたもの」とされています。

これらの力の育成をめざし、2〜3年の期間で学校や地域を指定して次のような事業が実施されました。

個に応じた指導の充実
・学力向上フロンティアスクール事業
・学力向上フロンティアハイスクール事業
・学力向上支援事業
個性・能力の伸長
・スーパーサイエンスハイスクール(SSH)
・スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(SELHi)
学力の質の向上
・「総合的な学習の時間」推進事業
・学習意欲向上の総合的戦略
・理科大好きスクール
英語力・国語力の増進
・スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(SELHi)
・国語力向上推進事業

これらのプランが策定された時点から、学習指導要領は2回(平成20年、平成29年)改訂されましたが、学校教育における「生きる力」の育成は継承されています。令和2年度、小学校から順次完全実施されている学習指導要領では、「生きる力」は、「学んだことを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力、人間性等」と「実際の社会や生活で生きて働く知識及び技能」、「未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力など」と示されています。

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