ゴールイメージを明確に! 三学期の学級経営~積み上げ期の1月
修了式や卒業式といった1年間のゴールが見えてくるこの時期は、子供たち一人一人や学級全体をさらに伸ばす絶好のチャンスです。その一方で学級の課題が見えてくる時期でもあります。学級の現状をきちんと分析し、個々も集団もさらに伸びる学級経営を目指しましょう。
執筆/岡山県公立小学校教諭・橋本久美
目次
ゴールイメージの再確認
まずは修了式や卒業式の日をどのような姿で迎えたいか、具体的な姿をイメージしましょう。
目指すゴールが再確認できたら、「実現するという願いを持って指導に当たることが大切です。
また、「学級の目標」と関連づけた上で、子供たちとゴールイメージを共有しましょう。
先入観・固定観念の打破
この時期の高学年では、学級の中で次のような様子が見られませんか?
同じ集団で過ごす時間が長くなると、人は知らず知らずのうちに先入観や固定観念で人を判断することがあります。このような状況に陥らないためにも、担任は学級の子供全員のよさを見つけ続ける姿勢を大切にしましょう。また、子供たちの先入観や固定観念を打破する取組を意識的に取り入れましょう。
すべての子供に活躍の場を
学級の中には、勉強や運動の苦手な子、人間関係を築くことが苦手な子、特別支援学級在籍の子など、様々な子供たちが一緒に学校生活を過ごしています。すべての子供たちが辛い思いをすることなく、みんなにとって居心地のよい学級にするためには、すべての子供たちが活躍できる場を設定することが大切です。
活躍の場の設定例
自己有用感は人の役に立つことで高まります。自己有用感が高まることで、前向きな気持ちで学校生活を過ごすことができ、個々も集団も伸びていきます。
人間関係を広げる席替え
席替えが「人間関係を広げる場」であることを、子供たちに伝えることが大切です。
子供たちは席替えが大好き
多くの子供たちにとって席替えは魅力的な活動です。席替えを効果的に行うことで、学級の人間関係を広げ、互いのよさを認め合う集団をつくりましょう。
席替え前には、ごあいさつ
席替え後にはお互いを知る活動
1分交代で、「イエス・ノー」で答えられる質問を出し合います。ゲーム感覚で楽しみながら、お互いのことを知ることができます。
席替えの方法(例)
- 学級担任による指定
- 全員でくじ引き(あみだくじや抽選会)
- パソコンによるくじ引き
- 相談やジャンケン大会
- 完全自由席(卒業式や修了式前に)
- 係活動ごとのまとまり など
子供の身体的特徴や人間関係等を十分配慮した上で、現在の学級の状況にあった方法で席替えを行いましょう。
子供も先生も学級大好き
「子供たちを伸ばしたい」と日々熱い思いを持って指導に当たっていると、ついついできていないことばかりが気になってしまうことがあります。そういうときは、意識的に個々や集団のよいところや伸びたところを見つける習慣をつけましょう。そして、担任自身が「学級大好き」という思いを大切にし、子供たちにも学級のよさを伝えていきましょう。子供たちが「学級大好き」と自分たちの学級を誇りに思うことが、個々や集団の伸びにつながります。
イラスト/菅原清貴
『教育技術 小五小六』2021年12/1月号より