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「不登校特例校」とは?【知っておきたい教育用語】

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【みんなの教育用語】教育分野の用語をわかりやすく解説!【毎週月曜更新】
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不登校の状態にある子どもたちの実態に応じた教育課程を設ける不登校特例校。設置の背景や設置状況、不登校解消のための取り組みについて解説します。

執筆/創価大学大学院教職研究科教授・渡辺秀貴

不登校特例校とは?

不登校特例校は、学習指導要領の内容などにとらわれずに、不登校の状態にある児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成し、実施している学校です。

文部科学大臣が指定する学校で、正式名称は、「不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校」です。

不登校特例校を設置することができる根拠

不登校特例校(以下、「特例校」とする)は、平成14年の「構造改革特例区域法」による規制緩和の一環として、平成17年に学校教育法施行規則改正で制度化されました。

また、平成29年に施行された、教育機会確保法(「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」)では、不登校特例校の整備を国や自治体の努力義務としています。「特区」や「機会確保」といった法令名称に使われている言葉にも現れているように、深刻さを増す不登校児童生徒の増加に対応するために法改正や新法が作られる中で、設置が進められた学校であることがわかります。

さらに、教育機会確保法に基づいて国が策定した基本方針では、不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育をする学校、つまり特例校の設置を促進することが示されています。

不登校の現状と特例校設置の状況

令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の課題に関する調査結果の概要」(文部科学省、令和3年10月)によると、長期欠席(年度間に「欠席日数」30日以上)の児童生徒のうち、不登校(長期欠席者のうち病気や経済的理由によるものを除く)の児童生徒数は、196,127人(前年度181,277人)でした。

過去5年間の傾向として、小中学校ともに不登校児童生徒数の割合は増加しています(小学校H27:0.4%→R2:1.0%、中学校H27:2.8%→R2:4.1%)。このうち約55%の児童生徒が、90日以上欠席しているという大変憂慮すべき状況となっています。さらに、不登校児童生徒数にコロナ禍が及ぼす影響についても、大変心配されています。

特例校については、「不登校特例校の設置に向けて【手引き】」が出された令和2年の段階では、全国に12校が設置されていました。その後、先に記したように、教育機会確保法に基づいて国が策定した基本方針に基づいて各自治体が設置を推進させ、令和4年には21校(公立学校12校、私立学校9校)に増えています。

不登校解消のための取り組み

▼参考資料
文部科学省(ウェブサイト)「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針」(平成29年3月31日)
文部科学省(ウェブサイト)「不登校特例校の設置に向けて 【手引き】」(令和2年1月)
文部科学省(ウェブサイト)「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の課題に関する調査結果の概要」(令和3年10月)
文部科学省(ウェブサイト)「不登校特例校の設置者一覧」(令和4年)
文部科学省(ウェブサイト)「不登校に関する調査研究協力者会議報告書〜今後の不登校児童生徒への学習機会と支援の在り方について〜」(令和4年6月)

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