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必ず役立つ!目からウロコの保護者の思考回路

2019/8/25

独自のネットワークで、全国の様々なタイプの母親たちに調査を実施! そこから見えてきた保護者の本音や学校への思いをお伝えします。不思議に思っていたこと、誤解していたことが理解できるかもしれません。保護者との良い関係の第一歩は、まず知ることから。

注目「一人一人をちゃんと見てほしい」要望「勉強の教え方うまいはず」「先生ならちゃんと相談に乗ってくれるはず」期待「子育てを一緒にしてくれる頼りになる存在」「子どもの教育のプロフェッショナル」「休み時間には遊んでくれるのが良い先生」

親も、教師も・・・

「どんなに忙しくたって、親(保護者)なんだから、子どものために少しの時間を割くのは、当たり前でしょう」

というのが、先生たちの思考回路。
対して、保護者は、上図のように、

「先生なんだから、一人ひとりの子どもに丁寧に寄り添ってくれて、上手に勉強を教えてくれるのが、当たり前でしょう」

と思っています。

そんなふうに思われたら、先生としては、
「そうは言っても、一人で約30人の子どもたちの面倒を見るって大変なんです。限界があります」
と言いたくなってしまいますが、決して、そうは言いません。実際に、保護者の方にお伝えする言葉は、きっと
「一人ひとりを大切にして、精一杯、教育活動に精進して参ります」
といったところでしょうか。保護者も、実は同じなんです。先生に、
「しょうがない親だなあ」
と思われたくなくて、微笑みを浮かべながら、決して口にはしない本音を、心の奥に隠しているのです・・・。

保護者は意外と! 学校に忠実で遠慮気味

「保護者会で、資料に“鉛筆はBを”と書いてあるから、2Bはダメだと思っていました」

「ペットボトルを持ってこいと言われたので、欲しくもないのに炭酸飲料を買いました」

「バケツ稲を作るバケツのサイズが指定され、近所のホームセンターへ行ったら、同じサイズのバケツだけ売り切れていて、遠くまで車を走らせて調達しました」

教師「明日、いちごパックを持ってきてください」 スーパーにて 親A「あら?」親B「あなたも」 親C「出遅れた~。駅の向こうのスーパーにも行ってみよう」 残業で遅くに帰宅 子D「ママ、用意する物はいちごパック」 親E「今更無理よ……」 翌朝 教師「いちごパック出して~」 子D「忘れました」

このように、学校のお達しに忠実であることは保護者の常。多くの子どもが涼しい顔で持ってくる学習用具の裏には、数々の保護者の努力とドラマが隠れているのです。また、先生たちの知らないところでこんな配慮や葛藤もあるようです。

「忘れ物を学校の休み時間に合わせて届けるために、仕事や予定をずらします」

「『連絡は必ず連絡帳で』と言われているので、必要なときでも電話していいのか、迷います」

「『学校公開以外も、いつでも見学どうぞ』って言うけど、ホントに行っていいのかな・・・」

「うちの子の運動会のかけっこの順位、納得いかなかったけど、モンスターペアレントと思われたくないから泣き寝入りしました」

「1年生の頃は、先生に相談するのも『うるさい親だと思われるかも』と躊躇していました」

授業中に忘れ物を届ける保護者

要求の強い保護者の陰で、このように学校に遠慮している保護者が多数いることも見落とせない事実なのです。

わかってほしい 働く母のキモチ

いまや保護者の半数を超えるかもしれない、働く母たち。彼女たちが指摘するのは、それにもかかわらず、いまだに

“学校は、母親は専業主婦という前提で、いろんなことが成り立っている”

ということです。

「お母さん もうちょっとね、仕事をセーブしてお子さんとの時間を・・・」「ハイ・・・」それ父親には絶対言わないでしょ!?

「保護者会、PTA総会、その他諸々、すべて平日の昼間に設定されています。せめて夕方以降にするとか、たまには週末にするとか、なにかしら配慮がほしいです。役員などの義務は働くお母さんにも平等に回ってくるのに」

「平日に学校へ行くっていうのは、いろんな手配、配慮、しわ寄せをして初めて実現できることなのにと思うことがあります。先日も、昼間に娘が具合悪くなって、下校時に『お母さん、これから迎えに来られますか』って電話がかかってきたけれど、そんなに急に仕事はたためません。早めに教えてくれたら会議をずらせたけれど・・・。結局、娘は高熱で一人で帰宅しました」

「先生の中には、いまだに、親が忙しい=愛情不足と単純に思っている先生もいてがっかりします。時間がある親の愛情過多の方が、闇が深いケースもあるのに」

「『母親同士、ご近所同士で情報交換して』とか、『休むときは連絡帳をご近所に託して』とか気軽に言われるけど、働いていると、ご近所のママなんて、つながりたくてもなかなかつながれないし、知っていても気軽におしゃべりしたり頼み事をしたりする関係ではないので困ります」

企業と学校の風土の違いに面食らうこともしばしばとのこと。例えば、

「持ち物と日時だけが載ったおたよりが最初に配付され、後日、場所情報だけのおたよりが届きます。分かりにくい。どうしても2通に分かれてしまうなら、2通目に全部の情報を再掲載するのは、一般企業では当然のこと」

「うちの息子は忘れ物が多くて、何度も学校から電話をもらいました。でも私はシングルマザーで小さい会社を経営して生計を立てているので、日々子どものことまで細かく配慮してやれない。だけど忘れ物をしてしまうたびに、私だって切ない思いをしているんです。だから思わず何度目かの電話口で、『専業主婦とは、事情が違うんだ!』って、啖呵きっちゃいました(笑)」

働く母の事情は思っている以上に様々なようです。ですが働く母親こそ、味方につけたら心強い存在。先生からの頼み事も、サッと見事にこなしてくれる可能性大。ぜひ仲良くなって、その手腕を学級や子どものために、生かしてもらいましょう。

実はあります・・・学校への不満

プリント「提出等の期限は守ってください」母「先生だってプリント忘れていたことあったじゃない」「しかも赤字で書いてある」

「新年度になると毎年、大量の書類を書かされますよね。しかもすぐ持ってこいって言うけど、うちは4人もいるから大変! 春休み前に渡してくれたら、ゆっくり書けるのにな」

「運動会や学芸会のときに、観覧ルールを違反する親が見過ごされていると、守っている方はわりきれないです」

「鉛筆は無地でとか、匂い消しゴムはダメとか、文房具のルールが厳しすぎませんか」

「たった15分の個人面談。15分間先生と話したからって、うちの子が良くなるわけない(笑)」

「保護者の朝の読み聞かせ。低学年では子どもも喜ぶし、こっちも子どもの様子を見たいからいいんだけど、聞きたくなさそうな高学年には、無理して聞かせなくても・・・」

「授業参観や学校公開は、正直、先生の指導の良し悪しより、自分の子の様子を見に来ているので、子どもがたくさん発言したり活躍したりする授業が見たい!」

「先生は保護者に決して本音を言わない気がする。子どもを育てる仲間として、人と人の会話ができたらな、と常々思います」

言われてみれば・・・? スルドイ小数意見

「毎日のように学級通信を出してくれる先生っていますよね、熱意はありがたいんだけど、正直、毎日はいらない・・・。週1か、それ以下ぐらいがちょうどいいかな・・・」

「私はグリーンコンシューマー(環境に配慮している消費者)だから、ペットボトルやプラスチックパックは買わないようにしています。牛乳も紙パックではなくリターナブル瓶のものを買っているくらい。それなのに学校から牛乳パックやペットボトル、イチゴパック、プリンカップを持ってこいと言われるので、本当に困ります。学校って環境教育はしないんですか? って言いたくなります」

給食にも様々な意見があるようです。

「子どもが学校で食育を受けてきて、お手紙でも『ご家庭でバランスのとれた食生活を』とか言われる。でも、昔の名残だと思うけど、学校での<和食+牛乳>っていう給食自体が、まず食育としておかしくないですか?」

「先生は勉強不足。そもそもバランスのとれた食生活という発想が古い。アジア人の腸に牛乳は合わないとか、自分の欲する物を食べるのが健康にいいとか、現代はいろいろな考え方があるのに」

「今の給食はお盆があるのに、その下にランチョンマットを敷く必要がありますか?」

言われてみれば、ごもっとも。「学校の当たり前」は「世間の当たり前」ではないんですよね・・・。

ありがとう 基本的に、先生には感謝

「基本的に先生には感謝」。先生への不満をいろいろ語ってくれた母親から出た言葉です。先生の誠意は、きちんと伝わっているようです。

「離婚したときに子どもがかなり荒れたけど、じっくり向き合って付き合ってくれました。できないことは、本人が気が付かないといけないことなので、時間をかけて経験させていきましょう、って言ってくれて、うれしかった」

母「こんな時間まで明かりついてる。先生たち大変だなあ」

高学年の子どもや、複数の子どもがいるベテラン保護者からは、次のようなありがたい意見も。

「長年学校と付き合っていると、保護者の間で評判の良い先生が、必ずしも良い先生とは限らないということがわかってきます。行事が大好きで、明るくて感じのいい先生だけど、悪気なく言うことが子どもを傷つけていたり。逆に愛想がなくて厳しくて、あまり好かれていない先生だけど、実はその厳しさは筋が通っていて、必要なことだったりとか」

「深く理解しないうちに、すぐ『今年は当たり』『今年ははずれ』と決め付けないほうがいいのになぁと、ほかの保護者の話を聞きながら思っています」

保護者も、最初は学校や先生に慣れないものなのです。

おわりに

「保護者(母親)」とひとくくりにして、ざっくりといろんなご意見を列挙してきましたが、「保護者」と言っても、それぞれ一人ひとり違う。それは先生も同じことなはずです。そして、一皮むけば、どちらも同じ生身の人間。人間だから、欠点もあるし失敗もあるのはお互い様。すれ違い、思い違い、配慮が足りないこともあるかもしれません。

でも、お互いに子どもをよく育てたいという思いは同じです。そんな気持ちで、まずは先生から保護者に歩み寄ってみてください。きっと、子どもの成長や学級経営に良い影響が盛りだくさんなはず。それは大きな実りとなって、自分に返ってきますよ!

イラスト/有田リリコ
執筆/東京都板橋区立公立小学校教諭 林真未

『小三教育技術』2017年9月号より

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