学級経営の視点をもった「授業づくり」とは
子供たちがいきいきと目を輝かせて取り組む授業を行うためには、学級経営をよりよくすることが大切です。授業づくりについて、学級経営の視点から考えます。
執筆/東京都公立小学校教諭・奥山良太
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目次
まずは学習のルールを
例えば、次のようなことが考えられます。
- チャイム前に着席する。
- 気持ちのよい挨拶をする。
- 学習用具の約束を守る。
- 字を丁寧に書く。
- 定規を使う。
- 発言するときの約束を守る。
- 自分の考えを伝えようとする。
- 相手の考えを理解しようと聞く。
- ノートを礼儀正しく提出する。
など
高学年だからこそ、もう1度しっかりとルールを確認し、規律ある授業を行います。ルールは一方的にやらせるのではなく、子供たちがルールを守る必要性を理解し、自ら守れるよう支援します。
授業は教師と子供でつくるものです。ルールの定着と同時に、温かく、前向きな授業の雰囲気づくりを心がけましょう。そのために、子供たちが「わかった」も「わからない」も言えるような安心感のある学級を目指します。
目指す授業の姿を明確に
授業中、どのような姿が見られるとよいでしょうか。
発言するときや聞くとき
- 教室全体に聞こえる声で発言する。
- うなずきながら聞く。
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一人一人で考えるとき
- 静寂に包まれている。
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話合いのとき
- 誰とでも同じように話し合う。
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一人一人が雰囲気をつくる
どのような雰囲気で学ぶと力が伸びるか、子供たちに問いかけてみましょう。雰囲気をつくるのは教室にいる一人一人です。
授業中、どんな言葉が増えるとよいかを一緒に考えてみるのはどうでしょうか。
授業中に増やしたい言葉
- わかった!
- できた!
- そうか!
- やってみよう!
- 何でだろう。
- どうしてかな。
- どうすればいいかな。
- ぼくも同じで……。
- お願いします。
- ありがとう。
- 温かい笑い声。
など
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授業中に減らしたい言葉
- え~。
- 面倒くさい。
- やりたくない。
- 無言、無反応。
- 馬鹿にする笑い声。
など
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教師の言葉が大切!
「◯◯しなさい」「◯◯しません」と言わず、目指す姿に自然と近づくような言葉をかけることを意識しましょう。
「○○さん、前より丁寧に書けていますね」
成長や変容をしっかり認めます。少しの変化にも気づけるよう、日々記録を残しておくことも大切です。
「○○さんなら、必ずできると思います」
期待する言葉をかけ、やる気を引き出します。
「○○さん、うなずきながら聞いてくれてうれしいです」
「うれしい」という教師の気持ちを伝えます。
「○○さんは、自分の考えと比べながら、友達の考えを聞くことができていましたよ」
進んで学習に取り組み、考えを深めている子供の行動を具体的に褒めましょう。
子供の力が伸びる学級
授業づくりと学級経営は大きくかかわっています。授業力を向上させることはもちろん大切ですが、授業を成り立たせるのは学級経営です。授業は、子供たちの関係や、教師との関係の上に行われます。子供たちの温かい人間関係と、教師との信頼関係が築かれていれば、教室は温かい雰囲気になるでしょう。そのような教室では、子供たちは自分の力を発揮し、伸びていきます。
教材研究や指導計画づくりと同じように、子供同士のつながりや教師と子供のつながりをよりよくすることを大切にしましょう。よりよい学級経営を目指すことが、よりよい授業にもつながります。
イラスト/北澤良枝
『教育技術 小五小六』2021年6/7月号より