保護者も気にする「教師のEQ、高いか低いか」【保護者座談会】
昨今、注目されている教師のEQ(Emotion Intelligence Quoient/心の知能指数)。EQが高い先生でよかったこと、反対に低い先生で残念だったことについて、東京都内の3つの異なる小学校に通う子どもを持つ保護者に話をききました。

目次
EQが低い教師=子どもに興味がない?
座談会に参加した保護者の方
Aさん 東京都内下町エリアにある公立小学校に通う小二女子の保護者。EQが高い先生は「子どもの変化にすぐ気付く」と感じている。
Bさん 東京都内文教エリアにある公立名門小学校に通う小一と小四男子の保護者。「先生のEQは総じて高いが、時々そうでない人も」
Cさん 東京都内新興住宅地にある公立小学校に通う小三と小六女子の保護者。「人の心の痛みがわからない先生が多い」と思っている。
Aさん 去年の担任の先生が、EQのとても高い50代の女性の先生でした。子どもの様子をとてもよく見ていて、宿題も一人ひとりのレベルに合わせて個別に出してくれるなど、娘は小学校生活のよいスタートを切れました。
Cさん うらやましい。娘の担任の先生はアラフォーの女性の先生なのですが、新学期がスタートしてからかなり経つのに、まだ子どもの名前を覚えていません。当然クラスは荒れ気味です。
Bさん EQが低い先生は、イコール子どもに興味がない先生ということだと思います。去年の上の子の担任の先生もそうでした。学校で息子の上履きがなくなり、自宅を探した後、息子は先生に伝えました。ですが、全くとりあってくれず、仕方ないので私が直接学校へ探してもらうよう電話をすると、その日の帰りの会で、先生は息子に「○○くんからみんなにお願いがあります」と。息子は先生に促され「僕の上履きがなくなりました。探してください」と、みんなの前で「お願い」させられたそうです。息子は自分が悪いことをしたように感じたようです。結局「ないでーす」で終わって、そのまま終了。もし、誰かのイタズラだったらどうなんでしょうか。
Cさん うわ・・・その先生、人の心が全くわかっていませんね。そういう対処をした後の、子どもの人間関係にも配慮してないように思います。
Aさん おそらく想像力が働いていないのでしょう。そういう先生は、子どもの様子の変化もわからない。だから、いじめや虐待があっても、全然気付かないのだと感じます。
Cさん 確かに。EQが低いと感じる先生の教室を、学校公開の時に見るようにしています。やはり、授業も一方的で、子どもの落ち着きもありません。学級崩壊が起こっているクラスもあります。でも、先生自身は事の重大さを感じていなくて、飄々としているんです。
Aさん 娘の去年の担任の先生は、子どもの様子にすぐに気が付き、元気がないと、そっと「どうしたの?」と声をかけてくれていたようです。さらに、日記や宿題も丁寧にチェックしてくれて、娘は喜んでいました。総合的に子どもの周辺の事情をリサーチしておられて、とても安心感がありました。
Bさん 日記の宿題のコメントを見るだけでも、先生のEQがわかります。ただほめるのではなく、その子の性格に合ったコメントを書いてくれます。それに、子どもの字も見ているんですよね。下の息子は字がとても下手なのですが、、担任の先生が日記を見て、「鉛筆をBから2Bにしてみてください、きっと上手に書けますよ」と教えてくださり、その通りにしたら、本当に字が上手になりました。
Cさん なんてよい先生!
Aさん あと、子どもの心が乱れないよう、不安にならないように配慮してくれているとうれしいですよね。去年、娘の通学路で下校時に大きな車の衝突事故があったのですが、その先生は、学校全体に呼びかけ、事故が起こった場所を避けて帰宅するようにしてくれました。
Cさん 臨機応変ですね。本当に子どものことを考えてくれている。
EQが高い教師=モンペも味方にする実力派
Aさん 子どものことをよく考えてくれているといって過保護なわけでもない。保護者からの人気も絶大で、先生が転勤する歓送迎会の席で、泣いている保護者が何人もいました。その中には、モンスターペアレントと噂されていた人も。
Bさん EQが高い先生は、モンスターペアレントまでをも味方に。すごい!
Cさん 保護者がモンスター化するのは、先生のEQの低さにも原因があるような気がします。何かトラブルが起こったときに、こちらの心配や不安に理解がなく、一方的に学校の事情を押し付けるから、子どもを守りたい保護者は抵抗するのでしょう。
Aさん まさにその通り。保護者は学校に「相談」に行ったつもりなのに、「クレーム」と捉えて、身構える先生は意外に多いそうです。そういう先生は、保護者の困り事を、よく聞かずに無理難題だと認識し、「面倒なことを言う親が来た」と、態度に出てしまう。
Bさん それに、保護者の話を最後まで聞かないとかね。子どものことに興味があれば、話が終わるまで、まずはひと通り聞くと思うんです。
Cさん 保護者が先生に対する不信や不安を抱えたまま家に帰り、子どもに「あの先生、ちょっとおかしい」と言えば、あっという間にその感情は子どもにも広がっていきます。