小1初めての当番活動・係活動の指導アイデア
クラスの仕事を始めよう! 小学1年生の初めての当番活動と係活動について、具体例とともに解説します。
執筆/東京都公立小学校教諭・佐藤理津子
写真協力/同小学校主任教諭・中山素子、同小学校教諭・八木真美子
目次
当番活動とは?
当番活動は、
- 日直
- 給食当番
- 掃除当番 など
学校生活の中で、なくてはならない仕事です。学級のみんなで役割分担をしながら、順番に経験できるようにします。当番活動を通して、学級の一員として自分の役割に責任をもつことの大切さを指導します。
子供たちは、毎日当番表を確認します。自分がどの役割なのかが分かりやすいと、担任が指示を出さなくても、自分から行動するようになります。
短冊型の給食当番表と掃除当番表の例です。「うーばー3くみ」や「きょうしつ ほうきれんじゃー」など、役割のネーミングを少し工夫すると、子供たちの活動意欲が高まります。
当番活動から始めよう〈その1〉
給食や掃除は、1年間継続して行うものです。4月から給食や掃除当番のシステムを指導しましょう。低学年でも、ていねいに時間をかけて指導することができれば、自分の仕事に責任をもって取り組むことや、担任に助けてもらいながらも自分たちの力で取り組むことができるようになります。
当番活動から始めよう〈その2〉
入学したばかりの一年生にとっては、当番活動と係活動の違いを理解することは難しいことです。まず、一人1役として、「学校になくてはならない仕事」を分担し、当番活動に取り組ませることから始めるとよいでしょう。
当番活動が軌道に乗ってきたところで、「クラスを楽しくするための係活動」についてオリエンテーションをします。当番活動→係活動というふうに、段階的に指導することによって、低学年の子供たちも、当番活動と係活動の区別ができるようになります。
係活動とは?
係活動は、学級のみんなで協力し、学級をよりよくしたり、より楽しくしたりするために行う活動です。当番活動とは違い、係活動は学校生活の中で、なくても困らないものです。
「クラスをもっとよくしたい」「クラスをもっと楽しくしたい」という子供たちの思いのもと、子供たち自身で創意工夫できる内容にすることが大切です。
楽しさいっぱい 係活動
子供たち一人ひとりの「やりたい」という思いを大切にしながら、係や所属を決定します。しかし、経験のない一年生には、担任の今までの経験や他の学年、学級の係を紹介するとよいでしょう。
体育の準備や体操をする「体育係」、教師のお手伝いをする「お手伝い係」などがある学級があります。しかし、教科に関する仕事や教師の仕事の一部を担うような「体育係」や「お手伝い係」は、係活動としてふさわしくありません。
係活動を学級全体に広めるための2つの手立て
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2021年4/5月号より