子供の発意や発想を生かしたクラブ活動発表会
学習指導要領には、クラブ活動の内容として、「クラブの成果の発表」が位置づけられています。子供が共通の興味、関心を追求してきた成果をクラブ成員の発意や発想による計画に基づき、協力して発表できるようにしましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・永田大修
目次
クラブの成果発表の機会をつくろう!
成果の発表の場は、次のようなものが考えられます。
- 運動会や学芸会などの学校行事
- 児童会全校集会
- 校内放送や展示による日常の発表
- 年間の活動のまとめとして行う展示や映像、実演(クラブ活動発表会)
- 校外活動(音楽会や敬老会、地域の催し物への参加)
年度当初の年間の計画づくりの段階で、年度末のクラブ発表会に向けた計画をしていきましょう。そうすることで、活動意欲を高め、子供の目的意識が明確になります。
子供の思いを大切にクラブ活動発表会をしよう
クラブ発表会に向けて、子供たちの話合いによって計画を立て、全員で役割分担をして準備し、実践するようにしましょう。
(1)計画
話合い
発表する内容や工夫点、必要な係などを話し合って、子供たち自身が計画を立てていくことで、子供の発意や発想を生かし、自主的な活動となるようにしましょう(板書例参照)。
クラブ活動の話合いも学級会の経験を生かします。学級会での計画委員の役割を上級生が担い、事前に話合いの準備をしておきましょう。
発表内容例
ダンスクラブ
- ダンス披露
バスケクラブ
- シュート実演
- フリースロー大会
手芸クラブ
- 作品の展示
工作クラブ
- 作品展示
- 折り紙コーナー
体操クラブ
- 跳び箱発表
バドミントンクラブ
- 連続ラリー実演
調理クラブ
- これまでつくった料理レシピの展示
英語クラブ
- 英語で学校紹介VTR
発表内容については、実演、展示、参加型など、クラブによって、様々な内容が考えられます。子供の発意や発想を生かしながら決めていきましょう。
(2)準備と練習
クラブ活動の時間を使いながら、発表会に向けて準備や練習をしていきます。当日までの見通しを持って計画的に進められるようにしましょう。活動計画をつくって配付したり掲示したりしておくとよいでしょう。
全員で役割分担をして活動していきましょう。そうすることで、協力場面が生まれ、みんなでつくりあげていくことになります。
(3)発表
クラブ活動発表会では、代表委員会を中心に、各クラブ長が連携しながら、準備や運営をしていきます。発表会の具体については、次のような計画が考えられます。
新型コロナウイルス対策
全校児童が体育館に集まり、クラブ活動発表会をすることが難しい場合でも、次のような対策をすることで、クラブ活動の成果を発表する場をつくりましょう。
- リアルタイムの動画配信をする。
- 実演はビデオで撮影し、発表する。
- 展示については、数週間展示期間を設け、学年ごとに作品を見る時間や日にちを割り振る。
- 参加型の発表の場合は、休み時間等を使って発表日を数日間設け、一度に集まる人数を制限する。その際、場所は広い体育館を使い、体験コーナーを複数準備し、密を回避する。
(4)振り返り
発表後は、自分たちの活動のよさについて必ず振り返りを行いましょう。お互いのクラブ発表を称賛したり、教師から子供たちのよさを価値づけたりすることも重要です。
「今年は、感染症流行でできない」ではなく、「どうすれば、成果の発表ができるか」と子供たちとともに考え、子供たちの発意や発想を生かしたクラブ活動発表会を実施したいですね。
イラスト/高橋正輝
『教育技術 小五小六』2021年3月号より