学級活動(2)いらいらしない生活を送ろう
ストレス社会ともいわれる現代では、子供たちも多くのストレスを抱えていることでしょう。ストレスと向き合い、自分なりの対処法を考えて決め、実行する一連の経験を持つことは、子供たちにとって大変価値ある学習です。
執筆/福岡県公立小学校教諭・村上暢崇
目次
他教科等との関連
心の健康やストレスの軽減に関する内容は、道徳科の「節度、節制」「相互理解、寛容」等や、体育科保健領域「心の健康」「病気の予防」等と関連が深い内容です。
題材化して取り組む際には、それらの学習を振り返らせ、つなぐことで題材の学習効果を高めることができます。
事前の活動
アンケートを実施します。
❶いらいらすることがありますか。
❷それはどんなときですか。
❸いらいらしたとき、あなたはどうしますか。
学校生活場面に限定するか、家庭生活も含めてその対象とするかは、学級の実態に応じて判断し、子供たちに伝えます。
本時
①つかむ(課題を把握する)段階
❶と❸のアンケート結果を活用して、「ほぼ全員がいらいらする経験をしている。それに上手に対処できていない」という実態を共有します。
❸の結果で「我慢する」と答えた子供の割合が大きい場合は、養護教諭をゲストティーチャーに招き、ストレスをためこむことの弊害を理解させましょう。
②さぐる(原因の追及)の段階
どうしていらいらしてしまうのか、その原因を追究します。
自分自身の出来事として考えさせることが大切です。最近のできごとを各自に想起させながら、原因を追究していきます。
いらいらを減らすために、どのようなことができるかアイデアを出し合います。
③見つける
これまでの経験を振り返らせながら、どのようにすればいらいらが減り、心が安定するかを考えさせましょう。
学級の子供たちだけでは十分にアイデアが深まらない場合は、先輩(中学生)や大人(保護者)、専門家(養護教諭)等に、ストレスの解消や心の安定のために、どのようなことに取り組んでいるかを紹介してもらうのもよいでしょう。
動画メッセージも含め、多様な方法が考えられます。
④決める(個人目標を意思決定する)段階
見つける段階で話し合ったことをもとに、自分に合った取組内容を決めさせます。
みんなで出し合ったアイデアの中から、自分に合った方法を選択し、決定させます。
事後の活動
意思決定した取組は、一定の期間を定めて実践させます。ワークシート等を提示し、毎日、確実に評価させましょう。
板書
イラスト/菅原清貴
『教育技術 小五小六』2021年3月号より