次の学年につながる「一年間の係活動」まとめとふり返り方
みんなのために何ができるのかを考えて取り組んできた係活動。一年間の係活動を通して、どんな力が身に付いたのか、ふり返ってみましょう。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・栁生実華
目次
まずは個人でふり返る
下のようなワークシートを使って、個人で係活動の取り組みをふり返ります。キャリア・パスポートを活用して、一・二学期のふり返りを見ながら、一年間のふり返りを行うのもよいですね。
係ごとにふり返りを
個人でのふり返りができたら、係ごとに集まってふり返りをしましょう。計画的に活動することができたか、学級が楽しくなるような活動を考えて活動することができたか、などを中心に話し合い、ふり返りをします。その際に、学級のみんなからもらった「よかったよカード」や「ありがとうカード」などがあると、客観的な視点からふり返りを行うことができます。
係活動は、自分たちだけが楽しければよいのではなく、学級みんなのために行っているという意識を常にもてるようにすることが大切です。
クラス全体でのふり返りにする
係ごとにふり返りができたら、学級活動(1)で、係の報告会をしましょう。司会者やはじめの言葉、プログラム、終わりの言葉など、担当を決めて、報告会を進めます。
各係の発表の後、「○○だったで賞」のような表彰状を、ペアの係や先生から渡すのもよいですね。 また、クラスのために活動してくれた係に対して、感謝の気持ちを述べ合う時間があると、「やってよかった」という気持ちを高めることにつながります。
また、担任の先生から「○○係のおかげで、楽しい気持ちになれたね」や「○○係の企画で、クラスのみんなのことがよく分かったよ」などと声がけすることも大切です。
うまくできなかった係に対しては、「なぜ、できなかったの?」と責めるよりも「こうしてみるとよかったね」「次は、こうしてみよう」などと、子供たちが前向きな気持ちになれるアドバイスをしてみましょう。
まとめのアイデア
スライドショーでふり返る
一学期からの係ごとの様子を写真に撮っている場合は、スライドショーにしてまとめてみるのもよいでしょう。三学期も係ごとにポスターを書いたり、計画をしたり、企画を行ったりしている様子を写真に写しておきましょう。最後は、係ごとに集合写真を撮ってあげるのもおすすめです。
思い出の記録ノートでふり返る
掲示板に貼ってある各係からのお知らせや活動の記録を、そのまま綴じ込んで記録ノートにしてもよいでしょう。いつでも誰でも見ることができます。活動の様子の写真をプリントアウトして一緒に綴じ込んだり、表紙を工夫したりすることで、素敵な記録ノートになります。
学級活動(3)でふり返る
係活動は、学級活動(3)「一人一人のキャリア形成と自己実現」の内容「イ 社会参画意識の醸成や働くことの意義の理解」の題材として指導することができます。事前にふり返りを行ったものをグラフにして提示するなども効果的です。
最終的には、次の学年のことを考えて、「自分には何ができるのか」を具体的に考えて、意思決定できるようにしましょう。
係活動や当番活動では、活動だけではなくふり返りを大切にしていきたいものです。
ぜひ、2020年度から始まっているキャリアパスポートも活用して、自分の役割をふり返り、積み重ねていくことで、自身の変容や成長を実感できるようにしましょう。
学級での係や当番活動を通してどんな自分になれたか、どんなクラスに成長できたかを学級全体で確認し、次の学年に自信をもって進級できるようにしたいですね。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年3月号より