学年末の作品持ち帰り・大掃除に向けてしておくこと
年度末はこれまでの学習で取り組んだ作品を返却したり、大掃除をしたりします。これまでの学期末と違うのは、「次の学年」を意識することです。次年度に期待をふくらませるような工夫をしましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・山本恭兵
目次
作品の持ち帰り
図工の作品
図工で取り組んだ絵などの平面作品は、裏同士をのり付けし、一つにまとめて作品集のようにする方法があります。八つ切り画用紙のサイズに揃えるとよいでしょう。四つ切り画用紙の場合は、半分に折ってのり付けします。背表紙に製本テープを貼ると丈夫になります。
作品集ができたら、じっくりと見る時間を取りましょう。「春の頃はこうだった」「工夫して描くようになったな」など、これまでの自分の成長を感じることができます。
市販の作品バッグに絵を描いて、オリジナルバッグを作るのもよいでしょう。
生活科の学習に関するもの
カード
生活科で取り組んだ観察カードや学習カードは、単元ごとにまとめて綴じるとよいでしょう。単元ごとのカードを日付順に並べ、それぞれの単元の表紙を付けます。穴開けパンチで穴を開け、ファイルや綴じひもでまとめます。
まとめたら、もう一度自分のカードを時系列に見る時間を設けるとよいでしょう。
共同作品
まち探検や学校探検の際にみんなで作った地図など、生活科ではクラスの共同作品もあることでしょう。学習の足跡が見える大切な作品です。個人に分けることが難しい場合は、作品を写真に撮って印刷して、子供に配付する方法もあります。
植木鉢
生活科で使用した植木鉢は、持ち帰りの日を決めて、大きめの袋などを用意してもらいましょう。土が入っていると重いので、他の大きな荷物がない日に持ち帰るようにします。保護者にお願いすることも考えられます。
大掃除
大掃除の前に意欲を高める
大掃除の前に、教室や自分たちの担当場所をじっくりと観察し、汚れているところを見付けるようにしましょう。ふだんの掃除ではできないような細かなところまで気が付いた子供を取り上げ、称賛すると、周りの子供たちも意欲が高まります。一人ひとりの子供が、大掃除できれいにしたいところを決めてから取り組むようにしましょう。
次の学年の教室を見に行く
大掃除の前に、次の学年の教室を見に行くことで、子供たちは次年度を意識しだします。「来年はあの教室で勉強するんだね」「今の教室を使う次の一年生(二年生)のためにも、きれいにしよう」と、教室を引き継ぐ意識をもつことが大切です。相手意識をもって大掃除に意欲的に取り組むことができるでしょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2021年3月号より