異年齢集団活動〜1年間のまとめと次年度に向けて〜
5、6年生は今年1年間、委員会活動や縦割り活動などの異年齢集団活動を通して、学校の中心として活躍してきました。この時期に、子供たちと3月までの活動の見通しを持ったり、今年度の活動について振り返ったりして、次年度の活動をよりよいものにしていきましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・那須孝之
目次
3月までの活動の見通しと今年度の活動の振り返り
年間や月別の行事予定や児童会活動計画をもとに、3月までの活動にはどのようなものがあるかを子供たちと確認します。
今年度の活動をどのように振り返っていくのかを考えます。ここでは具体例をもとに、5年生と6年生の活動に分けて、どのようなことができるのか見ていきます。
6年生の活動
6年生は、これまでの活動の成果をまとめ、次年度に5年生が学校の中心となって活躍できるような工夫をします。
委員会活動では
3学期の活動は5年生に任せ、話合いの進め方などのサポートをするようにします。
常時活動や企画イベントの進め方、1年間の活動の成果などをまとめて、次年度に活用してもらいましょう。
縦割り活動では
縦割りグループの一人ひとりに、その子のよさなどを書いたメッセージカードをつくります。
来年度、5年生が縦割りグループのリーダーとして活動できるように、話合いの進め方や下級生のサポートの仕方についてまとめたり、伝え合ったりします。
その他にも
「○○小ブック」などの名前をつけて、自分たちがこれまでに行った遊びや友達のつくり方など、学校生活をよりよくするためのヒントをまとめた資料を作成するといったアイデアも考えられます。
5年生の活動
5年生は、来年度から学校の中心となって活躍できるように、6年生の活動や思いを引き継ぐなどの活動の工夫を行います。
委員会活動では
6年生のサポートを受けながら話合いを進めるなど、委員会の中心となって活動していくようにします。
〇〇委員会のよさや活動の進め方などについて、6年生に話を聞くことも考えられます。
縦割り活動では
同じグループの6年生への贈り物(寄せ書き、ペンダント等)を何にするかグループで話し合い、協力して制作しましょう。贈り物は学校全体で統一することも考えられます。
縦割りグループを固定している学校では、新1年生に向けて、名前や自分のよさなどを書いたグループのメンバー表を作成するなどのアイディアも考えられます。
お別れ集会では
どのようなお別れ集会にするのか、5年生の児童計画委員会が提案し、代表委員会で話し合います。
今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、学校行事などが中止されています。そのような中、これまで学校の中心として活躍してくれた6年生のためにも、次のような工夫をもとに、お別れ集会を行いましょう。
(工夫例)
- 始めや終わりの言葉を放送で行なう。
- 各学年からのお祝いメッセージを録画したものを視聴する
等
次年度の活動に向けて
年度初めの全体計画等をもとに、異年齢集団活動で育成される資質・能力に沿って、子供たちが成長してきたのかを振り返ります。
また、育成される資質・能力だけでなく、子供のよさを教職員で出し合うなどして、次年度に引き継ぎましょう。
イラスト/北澤良枝
『教育技術 小五小六』2021年2月号より