担任必須! 児童の怪我・体調不良のときの対応方法
健康チェックのポイントから、怪我をしてしまった場合などの応急手当の方法までまとめました。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・佐々木陽子
目次
この時期にはやりやすい感染症
❶感染性胃腸炎
嘔吐や腹痛、水のような下痢を起こすこともあります。微熱が出ることもあります。
❷インフルエンザ
突然、38度以上の高熱が出て、頭痛、関節痛、筋肉痛などの痛み、だるさなどの症状があります。
❸マイコプラズマ感染症
しつこい咳が特徴です。重症化すると肺炎などを起こすこともあります。
毎日の健康観察や日常の様子で、異変を感じたら、教師から声をかけて体調の具合を確認します。
子供自身にも、少しでも体調がおかしいなと思ったら、我慢をしないで先生に症状を伝えるように話しておきます。
感染症は出席停止扱いとなり、病院での「登校許可書」をもらってから学校に登校することになるので、保護者にも伝達しておきましょう。
予防対策をしっかりと!
手洗いが一番の感染予防だとも言われています。休み時間に遊んで教室に戻ってきたときや給食前、トイレの後など意識して手洗いをします。
また、「うがい、咳のエチケット、マスクの着用、正しい生活習慣」などの声かけを、各家庭でも協力していただくようお知らせしておきます。
心の健康チェック
表面的な体の健康だけではなく、目に見えない心の健康も確認していきましょう。
チェックポイント
- お腹が痛い
- 頭が痛い
- 食欲がない
- イライラする
- 眠れない
- だるい
- 落ち着きがない
- 集中できない
- やる気が出ない
- 人と会うのがつらい
例えば、朝ごはんを食べすぎて、お腹が痛いのであれば、原因が明確なので対処したり、翌日からの注意を促したりしやすいでしょう。
しかし、原因が分からず、調子が悪い日が続く子もいます。
大人と同様に子供も毎日、いろいろな気持ちで過ごしています。心と体はつながっています。困ったときには担任だけではなく、養護教諭やカウンセラーの先生など、気軽に話せる人や場があることは重要です。普段から子供たちが誰にでも話しやすい環境づくりを心がけていきましょう。
元気の源
毎日、元気ハツラツ、楽しく学校生活を過ごすためには、学級でも家庭でも、普段から正しい生活習慣を心がけ、病気・怪我の予防対策をしっかり行うことが大切です。
- 早寝早起き。
- 朝ごはんをしっかり食べる。
- 登校前にトイレに行く。
- 学校の準備や仕度は、慌てず前もってやる。
- 爪を短く切る。
- 寒くない服装をする。
- 外で体をよく動かす。
- 水分補給をする。
- うがい、手洗いをしっかりやる。
- たくさん笑う。
など、一度予防方法を子供たちと話し合ってみてください。すてきな元気の源がたくさん出てきます。
応急手当て
朝の会や実際に怪我があったときなどに、豆知識としてありがちな怪我の手当ての方法を話しておくと、子供自身が学校だけではなく、家庭でも意識して対応できるようになります。また、電話で救急車を呼ぶ方法も練習し、一人で言えるようになっておくと、もしものときに役に立ちます。
救急車の呼び方の例
- 119番に電話します。
- 「救急です」と答えます。
- 住所や目印を伝えます。
- 怪我や病気の人の状態を伝えます。
- 電話をした人の名前や電話番号を伝えます。
応急処置の例
「すり傷」
傷口をきれいに水で洗い、きれいなタオルを当てる。
「鼻血」
鼻をつまんで下を向き、静かに座っている。
「火傷」
流水で5〜30分くらい冷やす。水ぶくれができたときは、きれいなハンカチやタオルでやさしく覆う。
「ぶつかって歯が抜けた」
自分の唾液か牛乳に、抜けた歯を浸してすぐに歯医者へ行く。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年2月号より