小3算数「3年のまとめ」指導アイデア
執筆/福岡県公立小学校教諭・長田亜希
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、福岡教育大学教授・清水紀宏
目次
本時のねらい
数あてゲームを通して数の見方を広げるとともに、数を特定するためにどのような質問をすればよいかを筋道立てて考えることができる。
評価規準
残っている数に応じて質問を筋道立てて考え、数を少ない回数で特定することができる。

問題
数あてゲームをしよう。
【じょうけん】
①1人が10~17までの数で、すきな数を決める。
②「はい」「いいえ」で答えられるしつ問にする。
③しつ問は3回しかできない。
ポイント
- ゲーム形式にすることで、数を特定したいという気持ちをもてるようにする。
- ルールの理解や質問の例示のために、子供に数を決めさせ、教師が質問をする。
Aさんが決めた数字をこの紙に書いて、先生には見せないようにして、友達に見せてください。今から、「はい」 「いいえ」で答えられる質問をするので、答えてください。3回まででAさんが決めた数字を当てますよ。
2で割り切れますか。
A:はい。
13より小さいですか。
A:いいえ。
16ですか。
A:いいえ。
14ですね。
当たりです。どうして分かったんだろう。
少しだけヒントをあげます。最初に「2で割り切れますか」と質問しました。Aさんが「はい」と答えたので、Aさんが選んだ数は 10、12、14、16のどれかと分かりました。(2で割り切れる?→はい→のように板書する)
続きは内緒にしておきます。では、友達とペアをつくって、ゲームをしてみましょう。数を決めて隠す人と質問をする人を交互にして、何回かやってみてください。ゲームのやりとりをノートに書いていきましょう。
以下、2人でペアになってゲームをさせる。「3で割り切れますか」「15ですか」「16より大きいですか」など、いろいろな質問が考えられることを見通しで共有してもよい。
学習のねらい
数当てゲームの仕組みを調べよう。
見通し
質問して、残った数を見て、次の質問を考える。
自力解決の様子
A つまずいている子
質問が場当たり的で、友達が選んで隠した数を3回の質問で当てることができない。
B 素朴に解いている子
友達が選んで隠した数を3回以下の質問で当てることができるが、ノートに結果だけが残されていて、絞り込まれていく様子が表現されていない。
C ねらい通り解いている子
友達が選んで隠した数の可能性が絞り込まれていく様子をノートに書きながら、どの場合でも友達が選んで隠した数を3回以下の質問で当てることができる。
※Aの子供には、10~17の数を書いたヒントカードを与え、質問の後、当たりの可能性がある数とない数を確認して、次の質問を考えるよう促しましょう。
Bの子供には、板書の例を手がかりにペアのやりとりをノートに書かせたうえで、次のゲームをノートに書きながらやるよう促しましょう。
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
C1さん、C2さん、ゲームの様子を話してください。
C1:2で割り切れますか。
C2:いいえ。
ストップ。ほかの人に聞きます。この時点で、答えは10~17のどの数に絞られますか。(時間を与えて、個人またはペアで考えさせた後、発表させる)
C1:11、13、15、17です。
そうですね。先生は次に「3で割り切れますか」と質問しようと思うけれど、どう思いますか。
C3:C2さんが15を選んでいたら、それで当たるけど…。
C4:付け加えます。C2さんが15を選んでいなかったら11、13、17が残ってしまうので、3回目の質問では当たらないと思います。
そうですね。 (以下、略)
※3回で当てられない例も取り上げながら、答えの可能性が半分ずつ絞り込まれていくように質問を考えていくことを確認します。また、3回で数を絞り込んでいく様子を板書し、共有します。
2で割り切れる?→いいえ

14より大きい?→はい

16より大きい?→いいえ

ノート例
学習のまとめ
質問を順序よくすると、数が絞られていき、当てることができる。
評価問題
1~16までの数当てゲームをやってみよう。どうやって数を当てたのか、しつ問をじゅん番にノートに書きましょう。しつ問は4回まで。
期待する反応例
残っている数に応じて質問を筋道立てて考えて、4回で数を当てることができる。また、数が絞り込まれている過程をノートに順序よく整理して書けている。(具体例は省略)
感想例
質問をして、数がどう絞られたのかをノートに書いておくと分かりやすかったです。
イラスト/小沢ヨマ・横井智美
『教育技術 小三小四』2021年3月号より